ドジャース大谷翔平投手(31)が12日(日本時間13日)、米大リーグ機構(MLB)が発表した1年間で最も劇的だった活躍を称賛する「伝説的瞬間」(Legendary Moment of the Year)にファン投票で選出された。10月17日のナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦、本拠地・ブルワーズ戦で10奪三振&3本塁打をマークした一戦が選ばれた。

13日(同14日)には3年連続4度目の受賞が期待されるMVPなどの発表が行われ、表彰ラッシュとなりそうだ。

 記憶に新しい二刀流の偉業が、今季最高の「伝説的瞬間」にファン投票で選ばれた。大谷が10月17日のナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦、本拠地・ブルワーズ戦でマークした圧巻の活躍。投げては7回途中2安打無失点10奪三振で、打っては初回先頭弾など3本塁打の大暴れで、シリーズMVPにも輝いた。試合後には大谷も珍しく「どちらも最高の気分」、「全体的にはできすぎ」と自画自賛したほどの一戦だった。

 MLB公式SNSでは「THE GREATEST SHOMAN」と、人気映画「グレイテスト・ショーマン」をもじって祝福。20年に新設された同賞を、大谷は初受賞となった。昨季も3本塁打を放って史上初の「50―50」(50本塁打&50盗塁)をマークした24年9月19日の敵地・マーリンズ戦も有力候補に挙がったが、受賞ならず。ワールドシリーズ第1戦で逆転満塁本塁打を放ったフリーマン(ドジャース)の一発が選出されていた。

 13日にはMVP、リーグ最高の打者「ハンク・アーロン賞」、最優秀DH「エドガー・マルティネス賞」、最強チーム「オールMLB」が発表され、大谷は一気に4つの表彰を受ける可能性がある。MVPは大谷を上回る56本塁打、132打点で2冠王に輝いたシュワバー(フィリーズ)との一騎打ちが有力。4度目受賞となれば7度のバリー・ボンズ(パイレーツ、ジャイアンツ)に次ぐ史上2位。

5年で4度の受賞となればボンズ以来で、北米4大スポーツでもNBAで現レイカーズのL・ジェームズら計4人しか達成していない偉業だ。3年連続ならボンズ以来2人目。

 今季は自己最多55本塁打を放ち、OPS1・014や146得点などはリーグトップで、投手としても14登板で1勝1敗、防御率2・87をマークした。近年はオフの風物詩ともなっている大谷の表彰ラッシュ。今季も数々の偉業がたたえられることになりそうだ。(安藤 宏太)

 ◆5年で4度のMVP MLBでは2001~04年に4年連続で受賞したB・ボンズ(ジャイアンツ)が唯一。NBAではM・ジョーダンやM・ジョンソンですら達成したことはなく、1961~65年のラッセル(セルティックス)、2009~13年のL・ジェームズ(キャバリアーズ、ヒート)がいずれも5年で4度受賞。NHLでは1980~87年にW・グレツキー(オイラーズ)が8年連続で受賞した。NFLは達成者がおらず、北米4大スポーツでは過去4度のみの快挙となる。NPBでは1973~77年に王貞治(巨人)が5年で4度受賞したのが唯一。

 ◆13日(日本時間14日)に発表される主な賞

 ▽MVP リーグ最優秀選手。全米野球記者協会会員30人の投票によって決定。

大谷の過去3度の受賞はいずれも1位票30票での満票受賞。

 ▽ハンク・アーロン賞 1999年に創設。通算755本塁打の強打者H・アーロンの名前が由来で、最も活躍した打者に贈られる。

 ▽エドガー・マルティネス賞 最優秀指名打者(DH)賞として1973年に創設され、最も活躍したDHに贈られる。

 ▽オールMLB 2019年に創設された表彰で、ファンと専門家の投票によりア・ナ両リーグの区別なくファースト、セカンドチームを選出する。

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