ヤンキースのA・ジャッジ外野手(33)が13日(日本時間14日)、全米野球記者協会(BBWAA)会員の投票によるア・リーグ最優秀選手(MVP)に選出された。22、24年に続いて2年連続3度目の受賞となり、ヤンキースではM・マントル、Y・ベラ、J・ディマジオと並んで最多タイとなった。

 今季のジャッジは152試合に出場し、打率3割3分1厘で自身初の首位打者を獲得。右肘を痛めて離脱した期間がありながら、キャリア初の2年連続50本塁打となる53本塁打、114打点はともにリーグ2位だった。昨年は満票受賞となったが、今季はマリナーズのC・ローリー捕手(28)と一騎打ちに。ローリーは捕手&両打ち選手としては史上最多の60本塁打。125打点と合わせて2冠に輝き、チームを24年ぶりの地区優勝に導いた。

 それでも、強打者であることを表す指標として定着しつつある「OPS」(長打力+出塁率)はジャッジがメジャートップの1・145。ローリーの・948を大きく上回った。MLB選手会が発表した選手間投票によるMVPはローリーが選ばれていたが、記者投票では20ポイントの差でジャッジが勝利した。ジャッジは「MVPを追いかけるためにプレーしたことは一度もない。だから1票差であろうが、20票差であろうが、勝とうが負けようが、俺にとっては大きな違いはなかった。こうした場に立てること自体が特別なんだ。人生は一度きりで、その中でこうした経験ができるのは本当に特別だよ」と語った。

 2人は今年のオールスターで同僚となり、その際にローリーがジャッジに「どこかで話がしたい。リーダーシップについて学びたい」と話しかけてきたという。ジャッジは「カル(ローリー)は本当に特別な選手だよ。選手としての側面だけでなく、リーダーとしての人間性が際立っていた。まだこのリーグに入って数年であれだけの成功を収めている選手が自分のチームをどう良くできるか、周囲をどう助けられるかを第一に考えているなんて、心から感銘を受けた。こんな大変な状況でも、自分の成長よりチームをどう良くするかを優先する、そんな姿勢を持っている選手は本当に特別だよ。だからこそ今年あれだけの成功を収めたし、これからも成功し続けると思う」と絶賛した。

 何を助言したかについては「それは俺たちの間に留めておくよ」としたが、「でも正直、俺が何かアドバイスする必要なんてほとんどない。みんなが見ての通り、カルは攻守においてすでに特別な選手だ。投手陣のまとめ方も素晴らしいし、(マリナーズ以外も)29球団が彼を欲しがるだろうね」と話した。2人は来年3月のWBCでは米国代表としてチームメートになることが決まっている。

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