ソフトボール ニトリJDリーグ・ダイヤモンドシリーズ最終日(16日、東京・ジャイアンツタウンスタジアム)

 東地区2位のビックカメラ高崎は西地区1位のトヨタに2―4で敗れ、3季ぶりの頂点には届かなかった。43歳のレジェンド・上野由岐子は4回1/3で1被本塁打、4失点。

「求めていた結果はここじゃなかった。最後踏ん張れなかった悔しさは残っています」と思いを吐露した。

 疲労は感じていたが、状態は整えてきた。しかし、トヨタ打線につかまった。3回に内野安打などで無死二、三塁のピンチを迎え、日本代表で2番・石川恭子遊撃手の中前二点適時打で先制された。0―2の5回には山田柚葵外野手の右中間への2ランで追加点を許し、ノックアウトされた。

 ただ、九女高(現・福大若葉高)を卒業後、実業団入り25季目の今季は19試合に登板し、18年シーズン以来、7季ぶりに10勝に到達。4月には通算250勝を達成し、10月には通算2500奪三振と前人未到の大記録を打ち立てた。「個人的にはシーズンを通してよく投げれたな。昨季はなかなか先発もたくさんできるコンディショニングではなかった。シーズン前からここ最近にないぐらいいい状態を作れて臨めた。正直、壊れないように。

これ以上けがをしないように。正直、これだけ投げられるとは思っていなかったです。少しずつ恩返しができているので、個人的には頑張ったかな」と胸を張った。

 トップで戦い続けているからこそ、体や心の調整の難しさは感じている。26季目の来季に向けては「現役続行」を簡単には明言できなかった。その胸中は「自分の感情がこの後、どう動くかにゆだねていますので、来季ユニホームを着ているかどうかは、今の自分には分からないけど、ソフトボールが好きな気持ちは変わらない。みんなの期待に応えられる選手でいたい気持ちはある。これだけ私自身に期待を持ってくれて、どういう立場で、何を背負って、どういう決断をしていかないといけないか、考えているつもり。ただ、自分の心は自分で守っていかないといけないので、自分の心とも相談しながら来季を決めていきたい」と慎重に語った。

 12月の日本代表の国内強化合宿には参加せず、若手中心で構成された。ソフトボールを誰よりも考えてきたレジェンドが、ソフト界の未来、そして自分自身の心と向き合っていく。

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