◆第42回マイルCS・G1(11月23日、京都競馬場・芝1600メートル)

 第42回マイルCS(23日、京都)は、安田記念覇者と昨年の覇者のマイル王2頭が激突する。史上9頭目となる同一年の春秋マイルG1制覇が懸かるジャンタルマンタルは、秋2戦目ですでに万全の仕上がりを誇る。

迎え撃つソウルラッシュも骨折明けを叩き、上昇一途。春にドバイで香港の強豪を倒した当時の鞍上、クリスチャン・デムーロ騎手を背に、史上7頭目の連覇を狙っている。

 7度目の挑戦で悲願のG1初制覇を飾ってから1年。21年グランアレグリア以来、史上7頭目の連覇を目指し、ソウルラッシュ(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎、父ルーラーシップ)がこの舞台に戻ってくる。

 2走前の安田記念のレース中に左第4中手骨を骨折。復帰戦となった前走の富士Sは59キロを背負い、しぶとく脚を伸ばして3着を確保した。担当の橋口助手は「骨折で立ち上げが遅れて、中身の面で筋肉が足りないような感じがしていた」と振り返る。叩いた上積みは大きく、「筋肉のハリなども解消していい状態。上昇度は負けていない」と仕上がりに自信を持つ。

 13日の1週前追い切りは栗東・CWコースでダノンジャガー(3歳1勝クラス)、ミッキーゴールド(3歳2勝クラス)を2馬身追走し、6ハロン80秒1―10秒9とさすがの時計で両馬に2馬身先着した。現役最多の当レース3勝目がかかる池江調教師は「ラスト100メートルはいい脚。まるでドバイ(・ターフ)の最後のような感じでした」と絶賛。

0・01馬身差(約8ミリ)で香港の最強馬ロマンチックウォリアーを撃破して師、馬ともに海外G1初勝利を挙げた圧巻のパフォーマンスを引き合いに出して状態の良さを語った。

 今回は短期免許で来日中のクリスチャン・デムーロ騎手とドバイ・ターフ以来、2度目のコンビを組む。指揮官が「8ミリ差ですからね。馬を動かす技術ですよね。(馬の情報を)見たり聞いたりしているだけでは普通できない」と舌を巻く名手と臨む秋のマイル王決定戦。王者の座は譲らない。(山本 理貴)

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