◆第56回明治神宮野球大会第4日▽高校の部・準決勝 九州国際大付8―7花巻東(17日・神宮)

 高校の部は九州国際大付(九州)が花巻東(東北)を8―7で撃破。初の決勝進出を決めた。

背番号13で体重107キロの“九国のおかわり君”上岡煌(こう)内野手(2年)が、「7番・一塁」で出場。攻守で躍動し、ラッキーボーイとなった。神戸国際大付(近畿)は2戦5発で初Vに王手。1大会チーム最多本塁打記録「6」へあと1本に迫った。大学の部は八戸学院大(東北3連盟)が神奈川大(関東5連盟第2)に逆転勝ちし、4強入りした。

 体重107キロの巨体を揺らして、上岡は全力疾走した。7―7の2死一、二塁の好機。内寄りのストレートに反応した。強い打球が逆方向の遊撃に転がる。エラーを誘発し、二塁走者が一気に本塁へ生還した。

 「『抜けろ!』と思った。意地でもセーフになってやろうと」。

準々決勝の山梨学院戦は2安打1打点。この日も6回に中前安打で好機を拡大し、7回の守備では好返球でスクイズを阻止した。背番号13が今大会のラッキーボーイに躍り出た。

 白米が大好物。「1食で4合か5合、食べたことがあります」。ご当地グルメの豚骨ラーメンは「替え玉、5回くらい」と旺盛な食欲が元気の源だ。東京滞在中、朝食はホテルのバイキング。「試合があるので、軽めに抑えています」と強調しつつ、「ご飯とパンも食べました」と笑顔で言った。

 目標は松井秀喜さん。現役時代は見ていないが、星稜時代の5連続敬遠に「そのぐらい恐れられる打者になりたい」と憧れる。楽天、ヤクルトでプレーした楠城祐介監督(41)も「すごく器用な選手。左投手に強い」と称賛した。

「チームの勢いが上がるような打撃と守備で貢献したい」と上岡。いざ決勝。どんな好投手も、ぺろりと平らげる。(加藤 弘士)

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