将棋の第75期王将戦挑戦者決定リーグが17日、東京・渋谷区の将棋会館で指された。先手の永瀬拓矢九段が菅井竜也八段に95手で勝利し、来年1月からの王将戦七番勝負に2期連続3度目の挑戦を決めた。

 この日の勝利で5連勝とすれば、リーグ中にもかかわらず挑戦が決まる一局。「こういう状況が珍しかった気がするので、いつも通りいこうとは思っていた」中で無事に白星をつかみ、「いい形で勝つことができてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 七番勝負の相手は藤井聡太六冠=竜王、名人、王位、棋聖、棋王、王将=。今年1月の王将戦から名人戦、王位戦に続いて4度目の2日制の番勝負となる。「近年、藤井王将と2日制を一番やっているのは私だと思うので、その経験をいかしたい。レーティングは過去最高だと思う」と気合は十分だ。

 永瀬にとって、藤井は「絶対王者」。一方で「周囲が変わった気がする」と、先月28日に藤井から王座をもぎ取った伊藤匠=叡王との二冠=の強さを感じている。「(タイトル戦の戦績が)2勝2敗と拮抗(きっこう)した勝負をされていてすごい」。永瀬自ら伊藤を研究し「メカニズムが分かってきたので、伊藤さんの属性を取り入れて準備していきたい。拮抗したスコアを作れるように頑張りたい」と自らも続こうという意欲を見せた。

 藤井とは王将戦を前に、23日のJT杯決勝戦(東京ビッグサイト)で対戦する。

持ち時間10分の早指しとなるが「より厳しいと思うけど、公開対局なので少しでもしがみつけるようにしたい」と意気込んだ。

編集部おすすめ