俳優の綾野剛が18日、都内で行われた映画「星と月は天の穴」(荒井晴彦監督、12月19日公開)の完成披露上映会に共演の咲耶、田中麗奈と登壇した。

 愛をこじらせた男の悲哀を描いた芥川賞作家・吉行淳之介の同名小説の映画化。

綾野は、過去の離婚経験から女を愛することを恐れる一方、愛されたい願望をこじらせる、こっけいで切ない40代の小説家・矢添克二を演じる。

 綾野は「初めて見て頂けるということで、うれしいです」とあいさつ。一方の咲耶は「今日が人生で初めての舞台あいさつなので、とっても緊張しています」とほほえんだ。

 綾野は同作について「試写を見た時に、この作品は目で見るというよりは耳で”見る”映画であり、”読む”映画だと感じた」と独特の表現で紹介した。荒井監督は10代で原作に触れた時に矢添に惹(ひ)かれたシーンがあったそうだが、言葉での説明が難しいようで、舞台上で綾野に耳打ちで相談。綾野が代弁して「なかなか本領を発揮できなかった時、とあるものを見つけて奮い立たされた。起立したという…」とぎりぎりで説明。その言葉に荒井監督は「こっけいなね」と付け加えた。

 現場でも綾野が荒井監督の思いを代弁したり、案を出したりしていたという。「もうすぐ80歳。山田洋次に負けたくない」という荒井監督が「監督はあっち(綾野)ですから」と綾野を指すと、綾野が首を横に振って否定した。

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