6月3日に89歳で死去した長嶋茂雄さんの「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」が21日、東京ドームで開催され、ドジャース大谷翔平投手(31)が追悼のビデオメッセージを送った。

 「大谷翔平です。

まず初めにご逝去の報に接し、心からお悔やみ申し上げます。また、長嶋茂雄さんがこれまで残してきたご功績と、人々の記憶に残るそのご活躍に、野球に携わる一人の後輩として心より感謝申し上げます。長嶋さんと初めて食事をご一緒させていただいた時、僕はその姿に後光が差しているように見えました。そういうふうに見える方というのは初めてだったので、今でもその衝撃度はよく覚えています。長嶋さんがこれまで歩んでいた道のりを改めて振り返ると同時に、僕たちにつないでいただいたバトンを次の世代につないでいくのが、私の、そして私たちの使命だと今は強く思っています。そして、長嶋茂雄は永久に不滅だと未来永劫(えいごう)、野球界のみならず、日本のスポーツ界において、その人柄と功績が燦然(さんぜん)と輝き続けると確信しています。長い間お疲れ様でした。短くはありますが、以上で私からの追悼の言葉とさせていただきます」

 大谷は16年12月のスポーツ報知の対談で初対面。今年3月15日に東京ドームで行われた巨人戦前にも対面した。これがミスターが公の場に登場した最後ともなった。亡くなった日に大谷はインスタグラムで「心よりご冥福をお祈りいたします」とコメントを添えて追悼し、本塁打も放った。その後大谷は「リアルタイムで(現役時代を)見ている世代ではないので、プレーをお目にかかることはなかったですけど、実際にお会いしてみて、素晴らしい人でしたし、会話をしていても、やっぱりすごく野球に対する愛情が深い方なのかなという印象を受けた。

非常に残念なニュースでしたけど、その情熱を現役の僕らが次の世代につないでいければいいんじゃないかなと思っています」とコメントしていた。

 長嶋さんも球界の常識を覆しながらメジャーで圧巻の活躍を見せてきた大谷の存在を常に気にかけており、23年11月に2度目のMVPを受賞した際には「大谷君は本当にすごいな。春にWBCで世界一に導き、秋には大リーグでMVP。世界のトップオブトップになった。2度目の満票は史上初らしいね。“史上初”という言葉が実によく似合う男だ。正力松太郎オーナーの遺訓『巨人軍はアメリカ野球に追いつき、そして追い越せ』の通り、日本がメジャーリーグに肩を並べたと言ってもいいのではないか。最近の、低迷していた野球人気を盛り返し、少年少女や中学生、高校球児にも『頑張れば世界のトップに立てる』という光を当ててくれた。投げて打って、走ってもすごい大谷翔平。言動も含めて、大きな刺激になっていると思う。ますます、日本の野球はレベルアップしていくだろう。努力すれば大谷になれる。

だが、並大抵の努力では大谷翔平にはなれない。そんな、日本中の希望になっている」と絶賛のコメントをしていた。

編集部おすすめ