巨人OBの高橋由伸氏(スポーツ報知評論家)が21日、東京ドームで行われた「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れの会」に出席した。

 ミスターが6月3日に亡くなってから約半年。

「亡くなって半年ぐらいたちますけども、そういった現実もある中でやっぱり心の中にはいる感じもしていますし、監督とのことを振り返る時間が多くなったなと思いますね」と語った。

 自身にとって1997年のドラフトで入団し、最初の監督が長嶋さんだった。「背丈は僕とほとんど同じぐらいなはずなんですけども、同じなのに何でこんなに大きく見えるのかなっていうところが第一印象です」とし、「そこから選手としてもそうですし、アテネ五輪でも一緒に戦えたら本当は良かった。でも札幌の予選では巨人のユニホームを着て戦っていた長嶋監督とはまた違った長嶋監督の姿も見ることができた。そういう思い出もあります」と振り返った。

 由伸氏は15年限りで現役を引退し、翌16年から巨人の監督に就任。長嶋さんも現役引退の翌年から監督を担った。「(自身の就任前に)決意がある程度固まった段階で電話をさせてもらい、『まだまだ僕自身もどうしていいかわからないですし、まだまだ若いので』という話をしたら『おまえは何歳だ?』と。『来年41歳になります』と言ったら『俺はもう1歳若くしてやっているから大丈夫だ』という言葉をおっしゃっていました」と背中を押された。選手時代よりも監督時代の方が会話も多かったといい、「選手の時はあまり怒られたことなかったんですけど、監督になってからはほとんどドームに足を運んでいただくたびに、負けてるという現実によく怒られた思い出がありますね」と述懐した。

 長嶋さんから多くのことを学んだ由伸氏。「負けるのが大嫌いで勝つことに執念を燃やす中でもどう見られている、どう見せる、そういった勝ち負けを超えたところにもプロ野球選手としての使命があることを監督から僕は学ばせてもらったと思います。

そういったものはこれからも後輩たちにも伝えていきたいです」と力強く語った。

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