◆第45回ジャパンカップ・G1(11月30日、東京競馬場・芝2400メートル)追い切り=11月26日、美浦トレセン

 G1馬7頭に欧州年度代表馬が出走予定の「最強馬決定戦」。浅子祐貴記者が担当する「考察」追い切り編は、2023年のダービー馬に注目した。

 時間が経過するごとに、状態の良さがひしひしと伝わってきたのがタスティエーラ(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎、父サトノクラウン)だ。

 20日は美浦・Wコースで一杯に追われたダノンベルーガ(6歳オープン)を相手に余力十分に先着。当週でも少し重たそうに映った天皇賞・秋よりも明らかに脚さばきが素軽くなり、1週前の時点でも十分な良化が感じ取れた。

 その状態をキープするにとどまらず、さらに上向いた印象を受けたのが最終デモ。美浦・Wコースで先行したシュトルーヴェ(6歳オープン)を馬なりで圧倒した。この日は「時計がかかる」という声を多く聞いたが、そんな状態のコースでも6ハロン81秒4―11秒4。ゴール前で追われた前走時よりも全体、しまいともに速い時計をマークした。時計だけでなく、身のこなしや走りに対しての前向きさ。全ての面で前走を上回る内容だった。

 さらなる確信を得るために向かったレーン騎手の会見。2走続けて当該週に騎乗した鞍上の言葉に正解はあった。「一つ言えることは、天皇賞・秋よりレベルアップして良くなっていることは間違いない」。

クロワデュノールが出走を決めたことで、3世代のダービー馬対決が実現。2年前に競馬界最高の名誉をつかんだ同馬から、ますます目が離せなくなった。(浅子 祐貴)

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