今年度の映画賞レースの幕開けとなる「第50回報知映画賞」の各賞が1日、発表された。作品賞・海外部門は「エミリア・ペレス」が受賞した。

女性として新たな人生を歩むことになった麻薬カルテルの元ボスと、協力を依頼された弁護士の人生をミュージカル仕立てで描く異色のエンターテインメント。主演のカルラ・ソフィア・ガスコンがトランスジェンダーの俳優としてカンヌ国際映画祭で初の女優賞に輝いたことでも話題となった。

 ゴールデングローブ賞では最多4部門受賞。米アカデミー賞では作品賞、監督賞を含む最多12部門で13ノミネートを果たす注目作に。歌曲賞(主題歌賞)と、ゾーイ・サルダナの助演女優賞で2部門での受賞となった。

 ジャック・オーディアール監督は、「このたび報知映画賞をいただき、大変光栄です。『エミリア・ペレス』が日本の皆さんに届いたことをとてもうれしく思いますし、これを機にさらに多くの方にご覧いただけたら幸いです。このような評価をいただき、心から感謝いたします。また近いうちに日本を訪れることができればうれしいです」とコメントを寄せた。

 ◆エミリア・ペレス 不遇の日々を送っていた弁護士のリタに、メキシコ全土を恐怖に陥れていた麻薬カルテルのリーダー、マニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という依頼が舞い込む。リタの計画が成功し、それぞれが新たな人生をスタートさせた4年後、マニタスはエミリア・ペレスとしてリタの前に現れる。

 ▼作品賞・海外・選考経過 「F1(R)/エフワン」、「教皇選挙」、「ワン・バトル・アフター・アナザー」にも票が入ったが、1回目の投票で「エミリア・ペレス」が多数を集めた。

「斬新で衝撃的なエンターテインメントに全身を撃ち抜かれた」(見城)、「曲がなかったとしても、ストーリーが面白すぎた」(LiLiCo)

 ◆選考委員 浅川貴道(読売新聞文化部映画担当)、荒木久文(映画評論家)、見城徹(株式会社幻冬舎代表取締役社長)、藤田晋(株式会社サイバーエージェント代表取締役)、松本志のぶ(フリーアナウンサー)、YOU(タレント)、LiLiCo(映画コメンテーター)、渡辺祥子(映画評論家)の各氏(五十音順)とスポーツ報知映画担当。

 ◇おことわり 見城徹委員は、自身が製作総指揮した「栄光のバックホーム」がノミネートされた全部門の選考と投票を棄権しました。

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