巨人の泉口友汰内野手(26)が11日、出身の和歌山・御坊市役所を表敬訪問し「シティプロモーション大使」への就任を打診された。三浦源吾市長(66)から「御坊市の誇り」と熱烈オファーを受け、前向きに返答した。

プロ2年目。ベストナインとゴールデン・グラブ賞のダブル受賞でブレイクした男が、さらなる活躍で愛する故郷の魅力を発信することを誓った。

 25年阿部巨人の出世頭・泉口に、故郷の「顔」として白羽の矢が立った。表敬訪問した御坊市の三浦市長から「PRに協力していただければ」と、公にシティプロモーション大使の就任を要請された。「もちろん、快くやらせていただこうかなと」と。御坊市から球団へ正式な依頼を経てからの決定となるが、あふれる郷土愛が“快諾”を後押しした。

 高校で大阪桐蔭に越境入学して青学大、NTT西日本、巨人と東西の大都市を往復。15歳で離れた分、帰郷のたびに応援してくれる地元への思いは強くなった。「すごく、人が温かい町です。お店もそんなに多くはないですけど、どこもおいしいので。住みやすくて大好きな場所ですね」。西は約8キロの海岸線、東は山に囲まれた自然豊かな土地を「やんちゃに」駆け回った日々が、けがと無縁の体の土台となっている。

実家へ帰るたびに食べる御坊市名産の「せち焼き」(焼きそばを卵で固めお好み焼き状にしたもの)も、活力の一つとなっている

 パ・リーグ新人王の西川(ロッテ)と、打率2割6分6厘、22盗塁で定位置をつかんだ中島(楽天)は、それぞれ実家が車で10分以内の幼なじみ。学年は違うが、それぞれ青学大に進学した縁もある。偶然にも“ご近所”でプロ入りした3人のブレイクイヤーが重なった。「すごく近くの街から、年も離れてないですし…。こんなことってあるんですね」とほほ笑んだ泉口。「地元のみなさんに喜んでもらえるように頑張ります」と、和歌山トリオとして切磋(せっさ)して郷土を盛り上げることを誓った。

 表敬訪問前には、母校の野口小を来訪。全校生徒94人から応援歌でサプライズ歓迎されるなど、約2時間の交流で英気を養った。「本当に懐かしいなと思って、心が浄化されました。来年も結果を出して、応援してくださるみなさまに喜んでもらいたい」と誓った。(内田 拓希)

 ◆御坊(ごぼう)市 和歌山県西部中央の海岸沿いに位置。御坊町、塩屋村、野口村、藤田村、名田村、湯川村が合併して1954年に誕生した。

人口は約2万1000人。海岸線を流れる暖流の黒潮の影響で年間平均気温16度台と温暖で、ハナハマサジ、かすみ草などの花の生産量は全国有数。ミカン、梅の生産も盛ん。市名は1595年に建立された「日高御坊」という寺院が地元民に「御坊様」と呼ばれたことに由来する。

◆巨人の近年の主な〇〇大使

 ▽岡本和真 地元の奈良・五條市の「五條市観光大使」に就任(23年)

 ▽船迫大雅 地元の宮城・蔵王町の「蔵王町観光大使」に就任(24年)

 ▽井上温大 地元の群馬・前橋市の「まえばしPR大使」に就任(24年)

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