来春の第98回センバツ高校野球大会(2026年3月19日開幕・甲子園)の21世紀枠の各地区候補9校が12日、日本高野連より発表され、東北からは名取北(宮城)が選ばれた。今秋は県大会3位で同校初の東北大会出場。

1回戦で鶴岡東(山形)に1―3で敗れたが、安打数で上回るなど意地をみせた。佐藤純二監督(51)は「今まで遠い存在だった甲子園が、もしかしたら…と、なってくる。(選手たちが)具体的に動いてくれるようになるし、こういうチャンスをいただいてありがたい」と話した。

 学校所在地の名取市は、東日本大震災の津波で海岸沿いの林が大きな被害を受けた。復興に向けて立ち上がった海岸林再生プロジェクトに部全体で参加。植樹などのボランティア活動に毎年取り組んでいる。また活動をPRするために今年3月、仙台未来防災フォーラムに部員が参加し、壇上で活動内容を発表した。フォーラムで話をした石沢丈太郎(2年)は「大事なことだけど、名取市民にも知られていなかった。僕たち高校生から伝えて、誰でもできるんだよ、ということを知ってほしい」と説明。野球以外の面でも地域に貢献している。

 公立校ということもあり、平日の練習時間は約2時間しか取れない。それでも丸山諒大主将(2年)は「勉強は精神的なところで不利にならない。

そこをマイナスにしてはいけない、と言われています」。指揮官も「寮生活だと(練習を)周りがやっているからやっているという選手も多いんだよ、自分の意思でやっていけば私立にも負けないよ、と伝えています」と高い意識で取り組んでいけばカバーできると話した。「全員が集中して粘り強く戦えるところがチームの強み」と胸を張った丸山主将。短い練習時間でも極限まで集中して取り組んで成長を続け、来年1月30日の発表を待つ。

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