日本高野連は12日、来春の第98回センバツ高校野球大会(3月19日開幕・甲子園)に出場する21世紀枠の各地区候補9校を発表した。中国からは、中国大会で初戦敗退となった山口鴻城が候補校に選出された。

候補9校から、来年1月30日の選考委員会で出場2校を最終決定する。

 PL学園時代、主将として2年生のKKコンビと甲子園春夏準優勝へ導き、コーチも務めていた清水孝悦氏が2年前に総監督に就任し、チームは大きな変化を遂げた。「初めは自信があるのかないのかという感じだった。『本気で甲子園を目指そう』と言ったんですけど、疑心暗鬼という感じでしたね」と当時を振り返る。必要なのは「意識改革」と感じ、「すぐに結果を求めないこと、地道にやることが大切」と何度も声をかけたという。

 総監督自身がPL学園時代から意識していたのは「徳を積む」こと。「何げないことが野球につながっていて、勝たせてもらえるとPL学園で教えてもらった」。山口鴻城にも近隣の小中学校でのあいさつ運動や、地域行事での駐車場係などを引き受け、地域に愛される野球部をつくるという文化が根付いている。大切してきたものは名門と同じだった。

 今秋の山口県大会では高川学園を破り、3位で中国大会に出場するなど、地道にやってきた結果が出た。ユニホームも昨年からPL学園とそっくりのデザインに変わり「母校が今の形になってしまったので…いい意味でPL学園を引き継いで力に変えて、山口鴻城として新たな伝統をつくっていきたい」と総監督。学生時代自身が活躍した聖地があと一歩のところに迫ってきている。

「甲子園は苦しい中のプレゼント。選手たちにも経験してほしい」と21世紀枠選出を強く願った。

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