エンゼルス菊池雄星投手(34)が13日、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場へ並々ならぬ意欲を示した。自らプロデュースした岩手・花巻市の施設「King of the Hill」(KOH)で自主トレを公開。

これまで日の丸とは縁のなかった左腕だが、メジャーで7年間プレーした実績と経験は大きな武器となる。ドジャース大谷翔平投手(31)との花巻東タッグが実現すれば、大会連覇へ向けて大きな戦力となる。

 正直な胸の内を明かした。短距離ダッシュのメニューを消化した直後の囲み取材。何度もせき込むほどのハードなトレーニングを終えたばかりだったが、WBCへの思いを問われるとはっきりと言い切った。

 「小、中、高、大、プロと、いろんなカテゴリーで(日本)代表というのありますけれども、今までご縁がなかったですから、何とか野球人生の中で一度はという思いは、ずっと持っていた。そういうチャンスがあれば、ぜひ前のめりで、考えたいなと思います」

 花巻東時代から世代を代表する左腕だった雄星。だが、高校3年だった09年9月の日米親善高校野球は背筋痛などで選出されず、プロ入り後もメジャー挑戦のタイミングなどもあって「自分のことで精いっぱいだったっていうのが正直なところ」と、日の丸を背負う機会を逃してきた。

 すでに花巻東の3学年後輩の大谷が出場の意思を表明。雄星が花巻東の佐々木監督と食事した際にも“初タッグ”へ話題が及び「『そうなったらいいよね』って話はしてましたし、そうなったら『チケットを用意しますよ』『いい席取りますよ』って言いました」と明かした。

 エンゼルスのフロントにもすでに意思を伝えたという左腕。井端監督も今年2月にキャンプを訪問した際に「投手陣を引っ張っていってほしいな。

軸として日本のために投げてくれればうれしい」と大きな期待を込めていた。この日は190キロのバーベルを膝の高さまで引き上げる「デッドリフト」を披露し、キャッチボールでも力強い球を投げ込んで次週にはブルペン入りをスタートさせることも明言。状態は上々とあって「世界一しか目標はないと思う。そこに貢献できたらと思う。いつお声がかかってもいいようにいま準備しているつもり」。山本、菅野らとの最強投手陣結成が少しずつ近づいてきた。(安藤 宏太)

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