◆第61回中日新聞杯・G3(12月13日、中京競馬場・芝2000メートル、良)

 第61回中日新聞杯・G3は13日、中京競馬場で行われ、3番人気のシェイクユアハート(古川吉)が直線で鋭く抜け出し、デビュー27戦目で重賞初制覇を果たした。宮徹調教師(65)=栗東=は14年高松宮記念(コパノリチャード)以来のJRA重賞Vとなった。

 魂の叫びだ。古川吉はゴールの瞬間、右手で大きくガッツポーズ。通算21度目のコンビだったシェイクユアハートを重賞初制覇に導き、感情を爆発させた。検量室前では「ついに来た。この日が来た。ちょっと泣きそう」と興奮。関係者と抱き合い、喜びを分かち合った。

 道中は中団をリズム良く追走した。抜群の手応えで直線へ。脚いろは衰えず、坂を上り切ってもうひと伸びした。抜け出したレッドバリエンテをとらえ、1馬身差でゴール。古川吉は「早めに動く馬もいたから、ちょっと待った。

しっかり伸びてくれたし、良かった」とたたえた。

 3歳秋に1勝クラス、2勝クラスを連勝。しかし3勝クラスでは2着7回、3着4回と惜敗が続き、卒業に15戦を要した。待望のタイトルに、宮調教師は「やっとひと安心。良かった」と満面の笑み。自身にとっては14年高松宮記念(コパノリチャード)以来、実に11年ぶりのJRAタイトルだった。

 次走は未定だが、宮師は「力をつけている。勝ち切れたことが大きい」と愛馬の成長に頬を緩める。もう“善戦マン”とは言わせない。重賞ウィナーとして堂々と歩む。(水納 愛美)

 シェイクユアハート 父ハーツクライ、母ルンバロッカ(父スライペカン)。栗東・宮徹厩舎所属の牡5歳。

北海道千歳市・社台ファームの生産。通算27戦5勝。総獲得賞金は1億9978万2000円。重賞初勝利。馬主は吉田千津氏。

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