◆第77回朝日杯フューチュリティステークス・G1(12月21日、阪神競馬場・芝1600メートル)追い切り=12月17日、栗東トレセン

 前肢を大きく踏み出しても、走りの軸が全くぶれない。首を大きく、リズムよく動かしながら、アドマイヤクワッズ(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎、父リアルスティール)が栗東・坂路を気持ちよさそうに駆け上がった。

大きなフットワークで描く軌跡はほぼ真っすぐ。連勝中の勢いを乗せるような活気があふれていた。

 時計は54秒8―12秒9。正直、地味だ。しかし、友道調教師は満足そうな表情で説明する。「坂路でいい動きをするタイプではないけど、バランスよく走っていたと思います」。厩舎的に追い切りで使うことが少ないが、坂路のラスト1ハロンで今までのベストは12秒4だった。

 一方、少し時計が出やすいとはいえ、CWコースでは負荷をかけた1週前追い切りでも、6ハロン82秒9―11秒2と力強く伸びた。「跳びが大きくて、ピッチ走法じゃないので、坂路では時計が出にくいんです。馬場(コース)の方がしっかり地面をとらえます」と大江助手は説明。大きなフットワークは広い阪神外回りでこそ、より威力を増すはずだ。

 中間は短期放牧に出し、鹿毛の馬体はグンと筋肉量を増した。

「スピードだけじゃなくて、パワーもある。この中間は迫力が出てきた感じがします」と自身の最多記録(84年グレード制導入後)更新となる4勝目を狙う友道師は成長を感じ取る。走り、馬体、そして状態面。すべてのベクトルがしっかりと、無傷の2歳王者の座へ向いている。(山本 武志)

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