今季まで巨人の2軍監督を務めた桑田真澄氏(57)が18日、東京ドームホテルで24年から2軍公式戦に参加しているオイシックスの「チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)」就任会見に出席した。

 会見では、中学生の野球人口が10年前と比較して6割減というデータを示しながら、「日本の野球界はすごく危機的な状態」「野球は将来マイナースポーツに陥る可能性が非常に大きい」と表現。

来年1月からのCBO就任にあたり、野球界の未来に危機感を抱く一人として「オイシックスが強くなって、またファンに愛されるチームになって、良き文化を作って、将来的に新潟県の子どもたちにも野球を普及しながら、それを全国に広げていって欲しいなという未来図を持っている」と構想を明かした。

 会見の内容は以下の通り。

 ―球団との打ち合わせでもご自身の意見を事細かに資料に書き込まれていた。

 「一番最初に高島会長はじめフロントの方が持ってこられて、こういうチームで、こういうビジョンを持っていますとお話されたんですよね。最初、僕は来年はゆっくりするので説明されても…と思っていたんですけど、しっかりと中長期のビジョンも書かれていて、家に帰って熟読していると何とか力になりたいなという気持ちが芽生えてきて、今日に至ったんです」

 ―最初は少しゆっくりする時間が欲しかった。

 「そうですね。少し充電期間が必要かなと自分で思っていましたのでね」

 ―ご自身の考えを足していくと、こんな球団ができるんじゃないかというイメージが沸いてきた、と。

 「そうなんですね。若い球団だからこそ、成長の可能性ってすごいなと思ったんですよね。そこに自分のノウハウとか、少しでも力になって球団が成長していき、勝てるチームになっていったら当然、新潟県民の方も喜ばれると思いますし、何より日本の球界発展につながるんじゃないかなと思ったんですね」

 ―球団が成長していくために必要なものや、アイデアは。

 「先ほどサイエンス、バランス、リスペクトと話をしましたけど、それプラス皆さんにはプロフェッショナルという言葉を常に頭に入れて行動、言動をしてもらいたいと思っています。プロフェッショナルというのは、人それぞれにあると思うんですね。

それぞれのプロフェッショナルを自分で考えて、そして行動に移していくということ。選手で言うと、高い技術力を披露すること、そしてメディア対応、ファンサービス、スポンサーへの対応、貢献。こういったものができて初めてプロフェッショナルだと思うんです。野球界の人って、大体が高校野球を引きずったままプロ野球選手を進むし、指導者を過ごしていく人が多いんですね。ですから、いつもジャイアンツの選手にも『部活じゃないぞ』とよく言っていたんですね。『我々はプロだぞ。しっかり実力をつけるための練習をしような』とかですね。プロフェッショナルという言葉も大切にしながらチーム作り、球団作り、文化作りをやっていきたい」

 ―いまの時代に合ったプロ野球とは、どういう方向に進んでいくべきか。

 「今はですね、プロ野球もそうですが、日本の野球界はすごく危機的な状態なんですね。中学生の競技人口を見ますと、10年前から今で6割減なんですね。僕は何十年も前から言っているんですが、野球は将来マイナースポーツに陥る可能性が非常に大きいと思っているんですね。そうならないために、選手もそうですが我々指導者、野球関係の方で今から手を打っていくべきだと提言しているんですけど、なかなか現場の方々は『大丈夫だよ』と思っている人が多いので、僕はすごく危機感を持っているんですね。

そういった意味でもオイシックスが強くなって、またファンに愛されるチームになって、良き文化を作って、将来的に新潟県の子どもたちにも野球を普及しながら、それを全国に広げていって欲しいなという未来図を持っているんですね。非常に僕は可能性があるチームだと思っていますので、いろんな試みをこれから新しい仲間ができますので、新しいスタッフ、仲間と僕自身も学びながらやっていきたいなと思っています」

 ―改めて来季への抱負、新潟の方へ向けてメッセージを。

 「僕が行ったからすぐに強くなるかという、そういう甘い世界ではないんですよね。でもしっかりと選手を育成して、そしてオイシックスという球団を、文化を創って成長させていきたいなと思っています。新潟の皆さんにまた見に行きたいな、応援したいなと思ってもらえるようなチームに育てていきたいと思いますし、僕自身も皆様からいろんなアドバイスをいただいて、いろんなことを学んでチームに貢献していきたいと思っています」

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