巨人・中山礼都内野手(23)が18日、午(うま)年の年男を迎える来季に向け、俊足を生かした“暴れ馬”としてチームを引っ張る意欲を示した。今季は1盗塁にとどまったが、阿部監督の積極走塁指令を受けて「10個だろうが20個だろうが、どんどん走っていきたい」と決意し、このオフの肉体強化に励んでいる。

球団では01年の仁志敏久以来、25年ぶりとなる「20本塁打&20盗塁」の可能性を秘める若武者を、巨人野手担当の内田拓希記者が「占う」。

 チームきっての“上がり馬”が、走塁改革の旗手に名乗りを上げた。中山が午年の年男として迎える26年に、“走り屋”としても貢献する。「今年全然、走塁で貢献できなかった。馬のように走り回って、グラウンド内で暴れて、走る方も重点を置いてやりたい」と宣言した。阿部監督が12球団最少の53盗塁に終わった走塁意識の改善をチームに求める中、率先して行動に移している。

 今季、103試合出場で打率2割6分5厘、7本塁打、32打点をマークし、泉口とともに野手のブレイク筆頭格となった23歳。唯一、キャリアハイを更新できなかったのが「1」にとどまった盗塁数(23年に5盗塁)だった。企図数は3で「盗塁は気持ちの部分がすごく大きい」と、走塁意識を反省点に挙げている。

 50メートル6秒0の俊足を誇る一方で、なかなかスタートを切れなかった理由は「今年はポジションも変わったので、どうしても守備や打撃に意識が行きがちだった。次の塁を狙う姿勢を見直してやっていきたい」。キャンプ中は居残りで振り込み、シーズン中の個人メニューは外野ノックを志願した。

攻守で順調に階段を上がって迎える来季は、走塁の技術や状況判断を磨くことに多くの時間を割けそうだ。

 「10でも20でも」と見据える盗塁数アップへ、肉体改造に着手している。夏場から試合終了後もウェート場にこもり、体重は自己最高の90キロに到達。シーズンで体重を落とす選手が大半だが、宮崎キャンプイン時から2キロの増量に成功した。「まだ下半身の筋肉が全然足りない。鍛えれば(足も)速くなると思うので、どんどんどんどん上げていく」とドジャース・大谷を理想に、パワーとスピードを兼ねた体を作り上げる。

 今季もスタメンに定着した8月以降の出場41試合で5発。143試合で換算すれば17・4本となり、来季開幕からスタメンに定着すれば20発も射程圏だ。「20本塁打&20盗塁」を達成すれば球団では川上哲治長嶋茂雄、青田昇、柴田勲、仁志敏久に続く快挙となる。「年男らしく、しっかり暴れたいなと。暴れる準備を、オフシーズンでしっかりしようかなと思います」と背番号40。昨オフは「全てでレベルアップする」と宣言し、シーズン中盤に定位置をつかんだ有言実行の男。

体も言葉も頼もしさを増す中山礼都に、期待せずにはいられない。(内田 拓希)

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