巨人にドラフト1位指名された鷺宮製作所・竹丸和幸投手(23)が19日、最優秀防御率のタイトル獲得を将来的な目標に掲げた。都内でJABA東京都野球連盟の表彰式に出席。

持ち前の制球力を磨き、球団では18年の菅野智之以来、1年目なら99年の上原浩治以来27年ぶりとなる記録達成に狙いを定めた。先発ローテーション候補として期待される即戦力左腕は高みを見据えてプロの舞台へ飛び込む。

 脳内で、明確なビジョンが出来上がっていた。投手部門で優秀選手表彰を受けた竹丸は、次なるステージでの目標を問われ「何か一つタイトルを取りたい」と答えた。最多勝かと問うと返答は違った。「防御率が一番、自分の力が数字にきっちり表れるというか。それが取れたらいいなと思います」。先発として勝負するプロの世界。最優秀防御率のタイトルに強いこだわりを見せた。

 打線の援護次第という運の要素があるのが勝ち星。一方で防御率は、自らの力でコントロールできる。数々タイトルがある中で「一番意識する部分。

できるだけ(率は)低く」と失点しない投手を理想に掲げた。巨人で獲得したのは18年の菅野が最後だが、かつてのエースは計4度同タイトルを受賞。堀内恒夫、江川卓、桑田真澄斎藤雅樹らも手にしてきた称号を狙う。

 防御率良化のため鍛えてきたのが1試合平均の「与四死球率」。社会人での2年を経て最重視するようになったデータで「2・0を切れたらいいなと個人的に思っている」。直近5年、NPBの最優秀防御率投手で与四死球率2を切ったのは両リーグでオリックス・山本(21、23年)と阪神・村上(23年)の2人だけ。追い求めるのは球界トップクラスの制球力で「一つの目標にしてやりたい」と高みを見据えた。

 その腕を磨くため、一つ決心もした。趣味だったゲームと「ちょっとおさらばしようかな」。これまでは就寝前も夢中でやっていたが、ドラフトイヤーの今年から徐々に回数をセーブするようになった。「(今は)ゲームをやらなくなっちゃって。結構ゲーム機いろいろ持ってたんですけど、実家に送ろうかなと思います」。

今後は“封印”し、よりプロ仕様で野球と向き合う時間を増やす予定だ。

 「もちろん取れるなら欲しい」と新人王への思いも改めて口にしたドラ1。新外国人に加え、先発候補では北浦、松浦ら同じ左投手の積極補強が続いており「左が多いので、やらなきゃクビになってしまう。しがみついてやりたいなと思います」。まずは年間フル回転。即戦力の期待に応えた先に理想の「タイトル」は待っている。(堀内 啓太)

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