中山が目をギラつかせた。大勢と参加したトークショー。

色紙に記した来季の目標は「ライト奪取」だ。「来シーズンは開幕から名前の通りライトを守って、ずっと守っていられるように頑張ります」。右翼手の高橋由伸イチローのような選手へ成長してほしいという願いを込めて「礼都(らいと)」と名付けられた23歳が、右翼での開幕スタメンを狙いに定めた。

 5年目の今季はシーズン途中から外野に挑戦し、自己最多103試合出場。夏場以降に右翼で出場機会を増やして、打率2割6分5厘、7本塁打、32打点をマークした。来季は外野を主戦場にすることが想定されており、秋季練習では亀井コーチと外野守備をみっちり練習。「課題はたくさんあるので亀井さんといろいろ話しながら練習した」。特に意識しているのは「1歩目」。「1歩目がすごく大事。1歩目を間違うと守備範囲が全然違う」と教えを意識しながらこだわる。

 今季は強肩を生かして外野手でリーグ1位タイの6補殺を記録。「補殺や進塁阻止はすごくチームにとって大きい1点」とこだわりを持つ。

右翼は三塁への送球など他のポジション以上に肩を生かす機会も多い。「肩の強さもコントロールも大事だと思うので詰めてやっていきたい」。球界屈指の守備力を誇っていた亀井コーチのような鉄壁の外野手を目指して、レベルアップを図っていく。

 阿部監督が「ウチの外野手の中で一番守備範囲が広いデータも出てる」と明かすなど能力は高い。練習と実戦経験を積んでいけばさらなる成長も見込める。ゴールデン・グラブ賞については「やるからには取れたらうれしいし、まずは段階的に一個一個積み重ねたい」と見据えた。長打力向上へ肉体改造にも着手しており、貪欲に進化を求めている。6年目の来季。礼都がライトの定位置を不動のものにする。(宮内 孝太)

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