今年の牡馬3歳世代は、まだ頭一つ抜けた存在がいないとみる。美浦のPOG担当としてG1や重賞を勝っている実績馬を“推し馬”にしたのでは、あまりにも芸がない。

まだキャリア2戦1勝と成績こそ目立つ存在ではないが、デビュー前から良血を評価されていたチャリングクロス(牡3歳、美浦・奥村武厩舎、父キタサンブラック)を取り上げたい。

 24年のホープフルS、昨年の日本ダービーを制したクロワデュノールの全弟という血統で、昨年6月の東京での新馬戦(芝1800メートル)は、2番人気に支持された。しかしレースは大きく出遅れて、道中も追っつけながらで2秒3差の9着と見せ場を作れず。しかし、ひと夏を越して成長した姿を見せた2戦目は、“大器の片りん”を感じさせるものだった。

 馬体重は20キロ増の488キロで、見た目にもパワーアップしたのは明らかだった。レースは中団に構えて直線では馬群を割って抜け出して、まさしくがらり一変の走りだった。奥村武調教師が「見た目通りというか、体の成長がすべてです。ここまで体の成長と競馬にいってのパフォーマンスが直結するとは」と、驚きを隠せないほどだった。

 血統的に距離は初戦の芝1800メートルから延びて良さそうで、次走は1月5日の中山での1勝クラス(芝2000メートル)を予定している。奥村武師は「言うことないですね。まだ精神的にどしっとしてほしいところはありますが、気にするほどではないです。(調教で)攻めてきても馬体を維持できていますし、攻めながら良くなってきている」と手応えたっぷりな口ぶり。

さらに続けて「半年後に一番良くなっていれば」と、大舞台を意識したコメントもチラリ。これで一発を狙いたい。(坂本 達洋)

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