侍ジャパン・井端弘和監督(50)が新春インタビューに応じた。連覇を狙うWBCに出場するドジャース・大谷を含めた“歴代最強”のドリームチームは、既に8人が先行発表され、今月中旬に全30選手がそろう予定。
井端監督の頭の中には大谷を2番に据えた“超攻撃型”オーダーのイメージが湧いていた。これまでは大谷の打順について「1打席でも多く。上位を打たせたい」と、ド軍で指定席となっていた1番と、得点圏で打席が回る3番での起用を示唆していた。
「2番って非常に難しい役割だとは思う。でも、彼は走者がいてもいなくても関係がない。走者がいて彼を迎えるとなれば、少し言い方が悪いけど、もし(相手投手が)ビビって(制球を乱し四球を出して)しまったら無死一、二塁のチャンスの可能性もある。勝負をせざるを得ない状況で(勝負に来たら)パーンって二塁打が出れば無死二、三塁にチャンスが広がる。本塁打が打てればこちらとしては楽だし、そうなればすごくありがたい」
23年には71試合、24年も同僚のベッツが故障で不在となるまでは2番に座った経験を踏まえれば、十分に2番の適性があるとみる。
打順を構成する上で、指揮官は各ポジションのレギュラーを想定しながらオーダーを組むという。大谷を最大限に生かす意味で、後を打つ打者は重要。三塁に岡本、一塁に村上を据える予定。
「和真は侍に対する意欲を感じているし、この時期に(ポスティングで)アメリカに行っても出場意思があるっていうことなので、ありがたい」
万が一に備えて「練習はしておいてほしい」と左翼で起用する可能性も本人には伝えている。
大砲を中軸に据えるだけでなく、準々決勝からはメジャートップクラスの投手が相手となる可能性が高いため、効率の良い得点パターンも計算に入れる。
「せっかく二、三塁の好機を演出してヒットを打っても二塁走者が三塁でストップしてしまって、2点入るところが1点しか入らないという状況になると厳しい」
得点力をアップさせるポイントになりそうなのが、下位打線の組み合わせだろう。「こうやるかは分からないけど」と前置きした上で、いくつかのプランを披露した。
「牧を7番か8番にするとか。(牧の前に)犠打で送れる選手、源田とか小園とかでワンクッション入れて、牧でかえしてもらうっていうプランも考えておいたらいいのかなと。そうすれば1本でかえってこられそうでしょう? だからと言って(6番に置いておいて)『チャンスで(小園や源田より)牧でしょう!』っていう意見も分かる。だからそこは並びと状態をよく見ておかないといけない」
12月26日に8人の侍を先行発表。この中に名前はなかったが、内定しているメジャー組の菅野と山本を先発陣の“2本柱”として期待している。ともに今大会から導入されるピッチクロックとピッチコムにも適応しており、NPBの投手と比べてその点で不安が少ない。菅野は17年の第4回大会の準決勝の米国戦で6回1失点の好投を見せた経験を高く評価している。
「今考えれば6回投げて1失点で抑えられる投手はなかなかいない。今回はイニング的にも球数的にもそこまで完璧にとは考えていない。相手打線の一回りないし、3回か4回を投げてくれれば。彼のように経験と制球力があって、打たせて取る投手はすごくありがたい存在」
一方の山本は3月6日の台湾との1次ラウンド(R)開幕戦(東京D)の最有力候補とみられる。
「勝たないといけないですしね。開幕投手は僕が1人で決めるわけじゃない。いろんな人と相談してからになる。開幕から2戦くらいは(1、2戦目のどちらも)甲乙つけがたいという投手陣はつくれる」
多くの組み合わせが考えられる救援陣の中では、守護神候補に挙がる大勢がキーマンとなりそうだ。23年の前回大会も経験し、国際球への対応力もある。
「彼の春先とかすごいイメージですよね。コンディションがいい状態で使えば、いい能力を出してくれる。あとは侍ジャパンに対する気持ちってのはすごく強い。
今大会はメジャーの一線級をそろえた米国をはじめ、強豪がそろう厳しい戦いが待つ。
「前回大会と同様に野球ファンだけではなく日本国民の皆さんに喜んでもらえるような試合、内容を見せたい。やっている方としては目先の1勝を目標にやっていこうと思う」
大会2連覇に向けた台湾戦まで残り64日。長く険しい道のりに挑む。
◆井端 弘和(いばた・ひろかず)1975年5月12日、川崎市生まれ。50歳。堀越から亜大を経て1997年ドラフト5位で中日入団。ベストナイン5度、ゴールデン・グラブ賞7度。2013年WBC日本代表。同年オフに巨人へ移籍し、15年限りで引退。巨人のコーチなどを経て、23年10月から侍ジャパン監督。
◆取材後記 インタビューの中盤、井端監督に本紙が2通りのオーダー(※別表A・B)を提案した。しばし考え「(この2つの)融合だね。融合したいね」と、うなずきつつ「強いて言うならこうだね」とペンを走らせた。
村上の横に「一」、岡本の横に「三」と記し「打順はどうであれ、この可能性が高いのかな」とホットコーナーには岡本を配置し、村上は一塁に据えることを明かした。
私たちが示したのは攻撃重視のAプランと、左右のバランスを考え、小技ができる打者を組み込んだBプラン。2番・大谷の可能性にも触れた上で、最後にもう一度2つのオーダーに目を通した指揮官は「融合したものを(大会前の)3月にまた持ってきてください。もしかしたら『意外と1か所ぐらいしか間違えてないぞ』って可能性があるかもしれない」と笑った。
思わぬ“宿題”をもらった。これからの取材で見いだした最適解を、答え合わせしてもらいたい。(侍ジャパン担当・長井 毅)










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