今年のドラフト戦線も逸材がそろう。高校生の目玉は昨春センバツV、夏の甲子園8強に導いた横浜の最速154キロ右腕・織田翔希(2年)と、194センチ、101キロの恵まれた肉体を誇る山梨学院の投打二刀流・最速152キロ右腕の菰田陽生(2年)だ。

大学生では、昨秋の明治神宮大会で10者連続奪三振の離れ業を演じた立命大の最速151キロ左腕・有馬伽久(がく、3年)に、スカウト陣の熱視線が注がれる。

 関西学生リーグで10戦全敗を喫した2024年春から、昨秋は明治神宮大会で初の準優勝。V字復活した名門・立命大の中心に、ドラフト1位候補左腕の有馬がいる。「金丸さん(関大から中日)や高校(愛工大名電)、大学の先輩でもある(DeNAの)東さんのレールに乗って、ドラフト1位で後を追っていきたい」と決意を示した。

 1年春からリーグ戦に登板し、昨春は4勝(2敗)、防御率1・79で最優秀投手に輝いた。昨夏は大学日本代表として日米大学選手権に出場。大学全国デビューとなった明治神宮大会では、東農大北海道との1回戦で10者連続奪三振をマークし、関大・山口高志(元阪急)の大会記録「8」を53年ぶりに塗り替えた。準々決勝の明大戦では6回2/3を無失点に抑え、同校では初めて東京六大学勢を撃破した。「ベストパフォーマンスを出せば通用すると思っていた。証明できたのは、すごく自信になった」と胸を張った。

 背中を押す存在がいる。高校3年の6月、同級生部員の瀬戸勝登(しょうと)さんが心不全で亡くなった。

悲しみのなか、ナインは「勝ち登れ 頂点へ」を合言葉に、工藤公康(元ソフトバンク監督)を擁して4強入りした1981年以来、41年ぶりに夏の甲子園でベスト8に進出した。現在も、年末には皆で瀬戸家を訪れる。明治神宮大会には、勝登さんの両親が毎試合、応援に来てくれた。

 明るく、ムードメーカだった瀬戸さん。冗談を言い合う間柄だったという。22年夏、有馬は勝登さんの写真をポケットに忍ばせ、エース兼主将として腕を振った。「忘れられない。野球を続ける以上は『勝登のためにも』というのは常にある。何か苦しいことがあったときに思い出すと、もっと頑張らないといけないと思える」。“誰かのために”が、自分をより強くすると教えてくれた友へ。9か月後、必ず吉報を届ける。(瀬川 楓花)

 ◆有馬 伽久(ありま・がく)2004年7月29日、奈良・田原本町生まれ。

21歳。平野小1年から軟式の平野パイレーツで野球を始める。田原本中では軟式野球部でプレー。愛工大名電では1年夏からベンチ入り。立命大では昨秋に19年春以来のリーグ優勝。最速151キロ。変化球はスライダー、ツーシーム。175センチ、80キロ。左投左打。

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