前ロッテで巨人、レッドソックスでもプレーした沢村拓一投手(37)が現役引退を決断した。沢村をプロ1年目から取材してきた巨人担当キャップの片岡優帆記者が、沢村のプロ意識の高さを「見た」。

 沢村は高いプロ意識で職業野球と向き合ってきた。若手の頃は右肩の投球障害に苦しんだ時期もあった。

 「けがをするのは技術不足ということです。ボールを投げられない、仕事ができない投手は価値がない」

 苦い経験を糧に、コンディショニングに細心の注意を払い、より良い体の使い方やトレーニングを常に研究してきた。30代で肩肘の故障がなかったどころか肉体は年々進化。37歳の昨季も156キロの剛速球を投げられたのは日頃の積み重ねがあったからだろう。

 巨人時代から、天才と称される外部の理学療法士に定期に右肩を診てもらっていた。その先生は沢村の筋肉、骨格、体の動きなどを知り尽くしていて、全幅の信頼を寄せていた。早朝に先生のもとを訪れてから球場に行くことも多かった。

 長胸神経麻痺(ちょうきょうしんけいまひ)に苦しんだ17年のある日の練習後、右肩の状態的にすぐ診てもらいたいと感じた時があった。だが、先生は所用で沖縄にいた。それでも治療をお願いし、快諾を得ると、羽田空港に急行して人知れず飛行機に搭乗。

沖縄で1時間の治療を受けて即帰京した。半日の超弾丸移動にも「全て自分への投資ですから」。翌日は何事もなかったかのように練習に参加していた。

 少年時代、高橋由伸さんに憧れて夢中になった大好きな野球が仕事になった。プロとして強い責任感、探究心を胸に日米で15年間、全力で進んできた。野球選手は卒業するが、現役引退は第2の人生のスタート。どんなことにも勉強熱心な沢村の新たな道にも注目していきたい。(巨人担当キャップ・片岡 優帆)

編集部おすすめ