侍ジャパン井端弘和監督(50)が都内でWBCに出場する日本代表メンバー11人を追加発表した。新たに先発の軸としてオリオールズFAの菅野智之投手(36)を招集。

所属先が決まっていない選手としては超異例の選出となった。

 待ち望んでいた菅野の加入が決まり、井端監督の表情も和らいだ。オ軍からFAとなり所属先が決まっていなかった状況での招集について「こちらとしても何としても来てほしいと(伝えた)。本人としても『行きたい』と。(意見が)一致して、所属先が決まっていなくても発表しようという形になった」と正式発表までの背景を説明した。

 指揮官はメジャー組の選手たちとコミュニケーションを取るために昨年9月に極秘渡米した。菅野とは球場では会わずに食事をともにし、WBC参戦を打診。巨人でともにプレーし、互いに人間性を熟知している間柄ではあったが、改めて熱い思いを伝えた。菅野も「何か自分にできることがあれば力になりたい」と胸を突き動かされた。

 メジャー1年目だった昨季は30登板で10勝10敗、防御率4・64をマークした。4~7月にかけて8勝するなどオ軍で唯一1年間ローテを守った実績も十分。井端監督も「夏くらいまでかなり好成績で、終盤はちょっと勝ちは伸びなかったですけど、また体をリフレッシュして、去年のいいときの状態に戻してくれているのかな」と不安はない。

ピッチコム、ピッチクロックなどメジャーのルールにも対応した経験は国内組の投手陣を引っ張る意味合いでも大きな存在となる。

 巨人のエースとしてNPB通算136勝を挙げ、17年WBCでは先発の一角として4強入りに貢献。準決勝・米国戦では6回1失点(自責0)と好投した。21年東京五輪ではコンディション不良による辞退もあり、17年以来自身9年ぶりの侍選出となった右腕は「再び日の丸を背負い戦う重圧を感じ、身の引き締まる想(おも)いです。他国も含めて凄(すご)いメンバーが出場すると思うので、チームのために自分の与えられた役割を全うし、団結して世界一を勝ち取りたい」と強い覚悟をにじませた。

 指揮官は内定しているドジャース・山本とエンゼルス・菊池との先発3本柱の一角として菅野のフル回転を構想に描く。世界一連覇に向けて頼もしいピースが加わった。(長井 毅)

 ◆前回大会メンバー9人 16日の追加メンバーで前回大会優勝メンバーは牧、牧原大、源田、近藤、周東の5人。昨年12月26日に発表されたメンバーの松井、伊藤、大勢、大谷を含めて前回(23年)Vメンバーが9人となった。WBC日本代表で2大会連続出場のメンバーが最も多かったのは09年大会で11人。今後は岡本(ブルージェイズ)、村上(Wソックス)、山本(ドジャース)らの選出も予想されるため、前回大会からの2大会連続メンバーは日本代表史上最多となりそうだ。

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