巨人の松本剛外野手(32)が19日、球団のFA加入1年目の選手では史上初となる「全試合スタメン出場」を目標に掲げた。沖縄・伊江島で自主トレを公開。

150キロ超の直球に対応すべく、打撃改良に取り組んでいることを明かした。「130安打、15盗塁」を最低限のノルマに設定し「新天地でチームに欠かせない選手になりたい」と決意表明した。

 伊江島の雲に重なって消えた松本の打球が、数秒後にフェンスを悠々と越えた。フリー打撃の21スイング目。「ハッ!」と息を吐いて放たれた弾丸ライナーは左中間最深部へ届いた。60スイングで安打性37本、広角に鋭い打球を打ち分け「すごく今いい状態。体は例年より早い感じで仕上がってきている」。気温22度と暖かな日差しを浴びながら、万全な調整ぶりを披露した。

 阿部監督が設計に携わった伊江村野球場での合同自主トレは最終第4クールに突入。指揮官から「1番・中堅」を期待される男は、新シーズンに明確なターゲットを設定した。「全試合スタメンで出る。新天地でチームに欠かせない選手になりたいです」。

巨人FA加入1年目に全試合出場は広沢克己(95年)、村田修一(12年)、丸佳浩(19年)の例があるが、いずれも途中出場を含んだものだ。V奪回のキーマンとなるべく、球団初の全試合スタメン出場を目標に掲げた。

 確固たる地位を築くため“剛球対策”に着手している。巧みなバットコントロールを誇る22年のパ・リーグ首位打者も、ここ2年は打率2割5分以下に低迷。昨季は対直球打率が1割9分と、年々増え続けるパワーピッチャーに手を焼いてきた。今オフは150キロ超の球威に振り負けないために、「体を強く使う。ここ(右脇腹)で打つイメージです」と器用な腕の操作性に頼らず、全身の力をボールにぶつける新打法を模索してきた。

 ティー打撃ではバットを両脇に挟み、体のひねりでボールを飛ばすユニークトレを導入。ストレッチ、ウェートトレで計10種類以上の体幹メニューを取り入れ、徹底して「体で打つ」意識を浸透させている。

 例年、伊江島組の合同自主トレは各選手がノルマを設定。達成すれば「松本賞」として最年長の松本からプレゼントが贈呈されるのが恒例行事だ。「130安打、15盗塁」を自らに課したリーダーは「例年とは違うオフを過ごせている感じがしている。

自分に期待したいなと思います」。闘争心はメラメラと燃え上がっている。(内田 拓希)

 〇…「松本組」は巨人の郡、日本ハムの野村と細川、西武・石井の計5人。日本ハム時代に松本と同僚で、帝京の後輩でもある郡は「尊敬する先輩。巨人に来てくれてさらにやる気が出る」と笑顔を見せ、今季の目標に「50試合出場とお立ち台1回」を掲げた。松本は約20人の報道陣に豚のショウガ焼き、ゴーヤチャンプルなどが入った弁当を差し入れ。球場に隣接するビーチでサラブレッドホースの「ボブくん」と触れ合うなど、充実した時間を過ごしていた。

 ◆松本剛に聞く

 ―巨人で初の春季キャンプ。

 「正直、いい緊張感も少しあります。楽しみな気持ちがすごく強いんですけど、どんな感じなのかなという気持ちが入り交じっている」

 ―実戦は早く出たいか。

 「自分からどうとかはない。いつでも行ける準備はと思ってます。

出る、出ないはチーム判断だと思うので、そこに合わせたいなと思います」

 ―「松本賞」はメンバーでどれくらい話し合ったか。

 「30~40分。みんな目標を高いところに置きたいと思っているんですけど、かけ離れすぎないものを。ここ数年、誰も賞を取ってないんですよ(笑)」

 ―パ・リーグでしのぎをけずった則本が同僚に。

 「打席に立ってて、威圧感というか、すごい圧を感じる。闘志むき出しで気持ちがバッターにもすごく伝わってくる。守ってる野手陣を引きつけてくれる投手」

 【記録メモ】FAで巨人に移籍した野手は、松本剛が16人目。過去15人のうち、95年広沢克己、12年村田修一、19年丸佳浩の3人が、1年目でシーズンの全試合に出場している。ただし広沢、村田はともに途中出場が5試合、丸も2試合あった。巨人にFA移籍1年目で全試合に先発出場なら、松本が初めてになる。

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