静岡県高校野球連盟の指導者講習会が25日、静岡市内で行われた。講習会に先立ち、2025年度日本学生野球協会の高校の部表彰選手に選ばれた聖隷クリストファー・逢沢開生元主将(3年)に記念盾が贈られた。

「心の中で、自分でいいのかなって思いがありました」と、正直な思いを口にした。

 昨年5月以降は苦しい年だった。昨夏、春夏通じて初の甲子園出場を決めた聖隷で主将を務めたが、5月の春季東海大会1回戦の三重戦で右翼からの送球で左腕を骨折。夏の県大会では、直前にベンチを外れた。優勝の瞬間は、スタンドでうれし涙を流した。甲子園の抽選会では、主将としてくじを引いたものの、開会式当日が手術の日と重なり、聖地でもアルプスで仲間に声援を送った。

 スタンドから見た風景が今でも頭をよぎっている。受賞のあいさつで「泣いてベンチを外れてしまった3年生の顔。父母の方々の顔。応援に来て下さった先生方や生徒の顔。改めて多くの方の思いがより伝わるようになりました」と、登録を外れたからこそ感じた思いを吐露。続けて、「暑い中、真剣にジャッジして下さった審判の方々。

高野連の方々、対戦相手の監督。相手チームの方。様々な方の思いが伝わった賞だと思います。本当にありがとうございました」と、感謝の気持ちを伝えた。

 先輩たちの思いを背負った賞でもあった。秋季東海大会で準優勝ながら選考会でセンバツ出場が見送られた2022年春。「上村(敏正監督)先生が個々の力が足りないから、という選考理由で落選したのが悔しい、と常々、おしゃっていた」と、明かす。多少、能力で劣っていても頭とハートで戦うのが「上村野球」。自分が主将の代で初めて甲子園に出場して全国1勝を果たし、「上村野球を証明したかった。そういう意味で、先輩たちの思いもこめられた賞だと思います」と、胸を張った。

 今後は、一般受験で大学進学を目指す。「今は、政治と経済にすごく興味がある」と、目を輝かす。

「野球とは別に、受験は人生をかけた勝負の緊張感があって楽しい」と、笑う。大学では野球をやるかは未定だという逢沢が、ひとまずは、受験に全力を傾ける。

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