パドレスのダルビッシュ有投手(39)が3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に備え2月14日に宮崎市で始まる侍ジャパンの事前合宿で“臨時アドバイザー”を務めることが27日、分かった。期間は調整中。

23年大会では2月の宮崎強化合宿に、メジャーリーガーとしてただ1人参加。若手と積極的に交流するなどグラウンド内外でチームをまとめ、大会制覇に導いた。昨年10月に右肘手術を受けて今季は全休の見込みのレジェンドだが、連覇のためにバックアップする。

 日米通算208勝のレジェンド右腕ダルビッシュが侍ジャパンのために一肌脱ぐ。2月に宮崎で行う事前合宿を訪れて“臨時アドバイザー”を担うことが分かった。井端監督は当初、右腕を招集する予定だったが、昨年10月に右肘手術を受けたため断念。ただ指揮官は同11月に「今回は出られないが、いろいろと連絡は取り合っていきたい。長く向こうでやられているので教えていただけるところは教えていただきたい」と語っていた。熱い思いにダルビッシュが快く応じた。

 井端監督は26日に都内で会見し、1枠を残して29人のメンバーを発表した。大谷、山本、菊池ら史上最多8人のメジャーリーガーがメンバー入りしたが、いずれも宮崎の事前合宿は不参加。一方、今大会ではMLBと同様にピッチクロック(投球時間制限)、ピッチコム(サイン伝達機器)が使用される。

ともにNPBは未導入。昨年11月の宮崎合宿や韓国との強化試合を通してバッテリーを中心に対策を講じてきたが、課題は残る。滑りやすいとされる大会使用球への対応も含め、経験豊富なダルビッシュの存在は、大きな意味を持つ。

 前回23年大会で準優勝の米国はジャッジ(ヤンキース)、ローリー(マリナーズ)、ハーパー(フィリーズ)らで強力打線を形成。ライバル国もスラッガーをそろえ、打倒・侍ジャパンに燃えている。ダルビッシュが実際に対戦した際の感覚や感想を加えた独自のデータを、宮崎合宿の時点でNPB組が得られるのもメリットになる。野手陣にとっても、強豪国のMLB投手の持ち球や配球、投手心理などを聞くにはこれ以上ない存在だろう。

 チームのまとめ役としての実績もある。前回大会はメジャーリーガーでただ1人、宮崎強化合宿に参加。後輩に変化球の握りや練習方法などを惜しみなく伝えるだけではなく、食事会も主催して一丸ムードをつくった。日の丸への熱い思いは、3年が経過しても不変だった。

 24日(日本時間25日)に自身のXを更新し、28年までの6年契約で残る3年総額4300万ドル(約68億円)の契約を破棄する意向を明かしたばかり。

今季は全休予定だが「自分としてはしっかりリハビリをやり抜き、心身ともに試合で投げられるなと思えばまた一から勝負したいなと思います」と現役続行の道は諦めない考えも示した。リハビリを行う中でも宮崎を訪れて、井端ジャパンを力強く援護する。

 ◆前回大会のダルビッシュ チーム最年長の36歳で、当時の代表では唯一、09年のWBC優勝を経験。メジャー組では唯一、宮崎合宿から参加した。積極的に若手と交流し、オリックス・山本(現ドジャース)や楽天・松井(現パドレス)らに変化球の握りやWBC球の扱い方を伝授。代表初招集でなじめていなかった宇田川(オリックス)を“主賓”とした「宇田川会」や、準決勝のメキシコ戦前日に幹事として決起集会を開くなど、リーダーシップを発揮。栗山監督(当時)も「ダルビッシュ・ジャパン」と称するほどだった。

 〇…巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(51)も宮崎事前合宿を訪問して、親交のある井端監督や選手たちを激励する。同氏は巨人の宮崎キャンプで2年ぶり5度目の臨時コーチを務めることも26日に発表された。井端監督は松井氏について「日本でもMLBでも活躍された。アドバイスなどを頂けると選手のプラスになる。同じ空間にいることが非常にありがたい」と感謝した。

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