◆第66回きさらぎ賞・G3(2月10日、京都競馬場・芝1800メートル、良)

 代替開催となった10日、東西で2重賞が行われ第66回きさらぎ賞・G3は1番人気のゾロアストロ(ハマーハンセン)が力強く末脚を伸ばし重賞初制覇。クラシックへ弾みをつけた。

 最後の最後に、エンジンが全開になった。ゾロアストロは4番手で直線に向き、懸命に鼓舞されながら食らいつく。ラスト100メートルでスイッチが入ると、脚いろは瞬時に鋭さを増した。前を行くライバルを抜き去り、2着馬の追い上げも頭差しのいでゴール。初タイトルを手にし、ハマーハンセンも「スッとギアが変わる感じはないが、波に乗るとすごくいい脚」とたたえた。

 勝負のカギは“イン”だった。4角で外を回さず、ロスのない進路取りを選択。直線ではさらに内めへ切り替えた。「(川田)将雅さんについて行きたかったが加速がつかず、ただリズムを崩したくなかったので内へ行きました」。ドイツ出身の26歳が、巧みなエスコート。シンザン記念(サンダーストラック)に続く自身、重賞2勝目もつかみ取った。

距離延長に手応え 積雪のため、開催が2日スライドするまさかの“異常事態”。

だが、美浦から調教用の馬具を持参しており、8、9日と馬場入りすることができた。宮田調教師は「道具に関しては用意がなければ乗れないので、『備えあれば』ではないですけど、良かったですね」と笑顔。2日間の調教パートナーだったスリーコーズも1Rを勝ち、2頭でアクシデントを乗り越えた。

 指揮官は「2000メートル以上でも、と思っています。何とか皐月賞、ダービーと向かえればうれしいですね。モーリス産駒ですが、いい意味で遊びがある子」と距離延長に手応えを示す。母アルミレーナには国枝厩舎の助手時代に乗っていた縁があり、「喜びもひとしおです」と白い歯がこぼれた。スペシャルウィーク、ネオユニヴァース、サトノダイヤモンドなどが飛躍した出世レースを制し、堂々とクラシック戦線に名乗りを上げた。(水納 愛美)

 ゾロアストロ 父モーリス、母アルミレーナ(父ディープインパクト)。美浦・宮田敬介厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算5戦2勝。

総獲得賞金は7338万9000円。重賞初勝利。馬主は(有)サンデーレーシング。

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