◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽ノルディックスキー・ジャンプ 混合団体(10日、イタリア・プレダッツォ)

 【バルディフィエメ(イタリア)10日=松末守司】男女2人ずつで飛ぶ混合団体が行われ、女子個人ノーマルヒル銅メダルの丸山希(北野建設)、前回北京五輪で金、銀2つのメダルを手にした小林陵侑(チームROY)、18年平昌五輪銅メダリストの高梨沙羅(クラレ)、10日(日本時間)の個人ノーマルヒルで銅メダルを手にした二階堂蓮(日本ビール)の4人全員がメダリストという豪華布陣で挑んだ日本は銅メダルを獲得した。4位ドイツとは1・2ポイント差、距離に換算すると、わずか60センチ差だった。

22年北京大会は同種目でジャンプスーツの規定違反で失格の憂き目にあった高梨が取材に応じ、コメントした。以下、主な問答。

 

―五輪の団体はどういう位置づけで捉えているか

 「記憶を塗り替えられるわけではないとは思うんですけど、でも4年前にできなかったことから、この場に立てる想像はその時はできていなかったんですけど、一緒に飛んでくれた(伊藤)有希さんや(佐藤)幸椰さんも、ずっとその後からも一緒に飛んでくれましたし。そういう先輩の存在がすごく支えになっていて。陵侑も変わらず接してくれて、一緒に飛んでくれて。日本のチームの皆さんであったり、応援してくださる方々の支えで帰ってこれて。チーム戦に出るとは想像できていなかったですけど、その役割を任せていただけて。もうやるしかないというか、自分のこの4年間かそれ以上積み上げてきたものをここで出せないと、もう私の競技人生終わりだなと思って。2本飛んで、圧倒的に力になれるようなジャンプではなかったと思うんですけど、ここに来た中で個人戦よりも、練習よりもいいジャンプが取れたと思います」

―伊藤有希さんと抱き合っているときは何を言われたか

 「お疲れ様、よく頑張ったねってハグしてくれながら言ってくれて。有希さんを見ると、それまで我慢していたんですけど、涙が止まらなくなってしまって。4年前あったことからずっと変わらずいてくれたことにも感謝ですし、こうしてまた戻ってきてメダルを取った瞬間までずっと応援し続けてくれた力とか存在とか支えにも、本当に感謝の気持ちというか、それ以上の言葉があるんだったら表現したいぐらい。4人で取ったメダルではなくて、そういう人たちの支えであったり、応援とか気持ちがここには乗っかっていると思うので、みんなで取れたメダルだと思っています」

―この4年間を振り返ってみて

 「うまくいかないことの方が多かったですし、スキージャンプ界のために何かためになるようなことができるならと思いながら、スキージャンプとまた違う活動したりとか、スキージャンプの環境を守る活動ではあるんですけど、飛ぶということに特化するとまた違うことをやっていたりとかもしていたので。

本当にやるべきなのかとか、色々葛藤はありましたけど、また1つ違う自分を見られた瞬間だったかなとは思います」

―今回は若い選手に支えられながら。これまでとの違いは

 「情けないところではあるんですけど、やっぱり若手に支えられることが多くて。競技以外にもすごく彼女、彼らの存在に癒されているというか、支えられて競技ができているので。今までは結構張り詰めてやってきた瞬間が多かったとは思うんですけど、色々後輩とも話しながら、すごく楽しみながら、今まで知れなかったことを知れた時間だったとも思うので。個人競技がメインなので、あまりそういうところに触れてこなかったですけど、団体戦もできて色々な選手と触れ合いながらやっている中で得られたものってすごく大きいなと思うので。それが今、身になっている感じがします」

―団体戦はいいなと思うか

 「ずっと団体戦って苦手だったんですけど、このチームだからできたことだなって思います。団体戦自体はこれからも多分苦手ではあると思うので。でも、彼女、彼らがいてくれたから幸せな日にもできましたし、1つまた自分の中でピリオドを打てたかなと思います」

―22年北京五輪を終えてからずっと責任を背負い続けてきた。メダルを取れて解放感はあるか

 「絶対に忘れてはいけないことですし、今後もそれを肝に銘じながら競技を続けていかなきゃいけないとは思うんですけど、こういう団体競技で力を発揮するのは1人ではできないことなので。周りのメンバーであったり、チームの力、支えが背中を押してくれるものでもあるので。あの時の自分は最低だったと思いますけど、団体戦の素晴らしさは感じられた日にはなったので。そこからまた新しくスタートが切れるような感覚にはなりました」

―ラージヒルに向けて気持ちも高ぶってきたか

 「きょうはちょっと団体戦に浸らせていただいて。

もちろんラージヒル楽しみですし、まだまだ続くこの挑戦を楽しみにはしているんですけど、今はちょっと。団体戦をようやく楽しい瞬間が感じられたので」

―今後のキャリアにこのメダルはどういう意味があるか

 「平昌の時に個人戦で銅メダルを取ったことがあるんですけど、それとは比べ物にならないくらいオリンピックっていいなって思えた。この経験の厚みというか、周りの人たちとシェアできたり、個人戦ももちろん、シェアはできるんですけど、この喜びをみんなで分かち合えるのって団体戦ならではだなと思うので。圧倒的に今日のこのメダルの方が厚みというか、重みを感じますね」

―五輪を目指す気持ちになれなかった時期があった中、どうやって五輪を目指す気持ちになれたか

 「今となって振り返ってみると、目の前のことをより良いものにする、つなげていくことで精一杯だったと思うんですよ。精一杯そこに向かっていったらオリンピックにたどり着いたという感覚が割と近いかなと思います」

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