野球日本代表「侍ジャパン」が3月、第6回WBCに臨む。14日からは宮崎での強化合宿もスタートする。

スポーツ報知では日本代表メンバーを「WBC連覇へ 侍語る」と題して特集する。第1回は巨人の大勢投手(26)。23年大会では、ドジャース大谷翔平投手(31)から「左打者対策」を教えてもらうなど、超一流のプレーヤーから大きな刺激を受けた。成長した姿でかけがえのない経験をもう一度味わい、再び頂点に立つ。(取材・構成=水上 智恵)

 大歓声に包まれ熱気がこもったマイアミのスタジアム―。勢いよくベンチを駆け出し、高揚感に浸った世界一をつかんだ瞬間。23年大会の決勝・米国戦。あの感動を思い返しながら大勢は、再び日の丸を背負う決意を語った。

 「僕ができることは短いイニングをしっかり抑えること。いい準備をして、いいパフォーマンスができるように。その積み重ねがいい結果につながれば。一発勝負なので、ゼロに抑えること、ピンチをつくっても粘ってなんとかゼロと、思っています」

 24年までは抑え、昨年はセットアッパーとしてチームを支えた。

井端監督からは守護神候補の一人として期待されており、平良、石井の負傷離脱でその役割は自然と大きくなる。

 「こだわりはない。どこを投げたいとかはない。任されたところ、求められていることをしっかりやりたい」

 23年はメキシコとの準決勝、米国との決勝でも7回から登板し、ベッツ(ドジャース)、トラウト(エンゼルス)らとも対戦。チーム最多の4試合、防御率0・00の安定感で貢献した。

 「前回、特にマイアミでの準決勝、決勝。ここで打たれたら、日本に帰れないって気持ちで投げていたのでそれぐらいの重みはある」

 試合以外でも、思いがけない交流が今でも心に残っている。

 「大谷さんに聞いている人は結構多かったですけど、僕はなかなか聞きにいけなかった。ダルビッシュさんに左バッターの対策を聞いたときに『すごい左バッターがいるから一緒に聞きにいこう』と大谷さんのところに連れていってくださって、聞くことができたんです! また(今回も)素晴らしい機会を頂いているので、聞きたいことは聞きたい。大谷さんが忙しいのにガツガツいきたいのは違いますし、そこは空気を読んでいきたい(笑)」

 選ばれし日本のチームメート、そして超一流の対戦相手から多くを学び成長につなげた。

 「すごいメンバーの方と自分を照らし合わせた時に、まだまだだなって思わされましたし、野球に対する取り組みなど、肌で感じることができたのは、野球人として大きかったです」

 12日には宮崎でライブBPに登板し、打者5人に対し2奪三振。課題としていたWBC使用球での変化球も手応えをつかんできた。

 「ボールに慣れる難しさは感じていたけど、フォークが思い描いている軌道で落ちてくれた。最初は全く落ちなくて、伸びていたので。反省も出たので修正して本大会に臨みたい」

 元チームメートの菅野、岡本は参加するものの、今回巨人からは大勢ただ一人の選出となった。

 「ジャイアンツを代表してしっかり頑張りたい。前回大会は(プロ)2年目だったので、頼りにというか、聞いてくる人はいなかった。でも今は年齢も僕より下の人がたくさんいますし、聞かれたらしっかりとアドバイスできるように成長しながらと思います」

 再び頂点へ―。大勢が世界の野球ファンを魅了する。

 ◆大勢の23年WBC 1次Rのオーストラリア戦でWBCデビューを果たし、1回1安打無失点。イタリアとの準々決勝も1回無失点に抑えると、メキシコとの準決勝では4―5の9回に登板し、1回無安打無失点で直後の逆転サヨナラ勝ちにつなげた。米国との決勝では3―1の7回に登板し、トラウトを右飛、ゴールドシュミットを遊ゴロ併殺に仕留めるなど1回1安打無失点。8、9回のダルビッシュ―大谷へつなげ、世界一に貢献した。計4登板で4回無失点。

1勝0敗、防御率0・00。

 ◆大勢(翁田大勢=おうた・たいせい)1999年6月29日、兵庫・多可町生まれ。26歳。西脇工では甲子園出場なし。関西国際大を経て、2021年ドラフト1位で巨人入団。守護神を務めた22年は57試合で1勝3敗37セーブ、防御率2.05で新人王。昨季は54ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手賞。183センチ、90キロ。右投右打。年俸1億8000万円。

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