侍ジャパンの守護神候補の巨人・大勢投手(26)が17日、3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて行われている宮崎強化合宿で、アドバイザーを務めるパドレスのダルビッシュ有投手(39)からスライダーについて金言を授かった。合宿初のブルペンで16球を投じると、投球後にスライダーの曲がり幅が小さいことをダルビッシュに相談。

「曲がることがいいってわけじゃない」と助言され、自信を得た。また、ダルビッシュは藤平尚真投手(27)らに“ジャッジ対策”などを伝授した。

 大勢が躍動感たっぷりの腕の振りから、力強い球を投じた。宮崎強化合宿初のブルペン入りで、ダルビッシュ、井端監督らが見守る前で直球とフォークを計16球。最後の5球はピッチクロックを稼働させた“本番モード”だった。「出力も上がってきてる。まだまだ良くしていくところはあるので、しっかり調整できたらいい」。守護神候補の右腕が順調な仕上がりを示した。

 レジェンドに背中を押された。ブルペン投球後にダルビッシュにスライダーについて相談。「自分はジャイロ回転していて、あまり曲がり幅が出てない」と、変化量が少ないことについての悩みを打ち明けると「『曲がることがいいってわけじゃないよ』と教えていただいた」。ダルビッシュから返ってきた助言が胸に響いた。

 メジャーで実績十分のストッパーを例に挙げてもらった。MLB通算253セーブをマークし、今季からドジャース入りしたエドウィン・ディアス(31)だ。プエルトリコ代表の右腕は、大勢と同じようなスリークオーターの位置から投じるジャイロ回転のスライダーが持ち味だ。「ジャイロ回転のスライダーの選手も多いですし、逆にそれが良かったりもする、と。大きく曲がるスイーパーも最近は打たれているデータもあるから、曲がるからいいというわけでもないということでした」。比較を交えた言葉をもらってすっきりした。「(巨人の)小林誠司さんとかに『曲がってないなー』とよく言われている。それが僕の良さだと改めて確信に変わりました」と笑いを誘いつつ、自信を深めた。

 今後はシート打撃などに登板し、実戦感覚を養う。投球を見た井端監督は「ベース盤の強さはある。いい仕上がり」と目を細めた。合宿直前に救援陣の平良と石井が負傷で離脱し、かかる期待はより大きくなっている。

「どこで投げても自分に集中することが一番大事」。ダルの教えを胸に刻み、日本の勝利のために尽力する。(宮内 孝太)

 ◇ジャイロ回転 ライフル弾のように進行方向に回転軸が向いた横回転のこと。一般的なスライダーは縦、横、斜めなどの回転軸なのに対し、ジャイロ成分が多いスライダーは空気抵抗が小さくなり、重力に従い打者の手元で落ちたり逆方向に曲がったりするとされる。

 ◆エドウィン・ディアス 今季からドジャースに加入した31歳の剛腕で、最速165キロ超の直球と鋭いスライダーの2球種を武器とする現役世界最高のクローザー。マリナーズ時代の18年にはリーグ最多57セーブを挙げた。WBCはプエルトリコ代表として今回が3度目の出場で、17年は準優勝に貢献。メジャー通算9年で520試合に登板し、28勝36敗、253セーブ、防御率2.82をマークしている。

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