子育てや家庭のあり方などについての様々な内容をテーマに、多数のゲスト講師を招いてメッセージを発信し続けるテレビ静岡制作のフジテレビ系教育番組「テレビ寺子屋」。2月22日の放送は尾木ママの愛称で知られる教育評論家の尾木直樹さんの「やる気を引き出す共感力」を放送(テレビ静岡は午前6時30分)する。
やる気を出すには、「褒める」ことが大事だと言われます。ところが、この「褒める」を狭い意味で捉えていると、どこを褒めたらいいのか、どう褒めたらいいのか分からなくなってしまうことがあります。
そこで私は、「褒める」という言葉の定義を広げて、角度を変えてみました。例えば、動きの遅い子は「とっても慎重な子」。授業中、こちらが質問する前に答えを言ってしまう子は「頭の回転が速くて、周囲に惑わされず我が道を歩める子」。このように物事の見方を転換することを「リフレーミング」と言い、違う視点から見ることで評価できる面がたくさん見つかります。
「褒める」ことは、良いところを取り上げることではなくて、「ありのままを認める」ということなんです。ありのままを認める言葉を積極的に伝えることによって、自分に対してだんだん自信を持てるようになります。
よく、「やる気スイッチを入れるにはどうすればいいですか?」と聞かれます。そんなとき私は、「やる気スイッチではなく、『やる気エンジン』をかける方法はある」と答えます。それは、ありのままの姿に共感するということ。
私の母親はこの「やる気エンジン」のかけ方がすごく上手でした。家に帰ると「おかえり、今日の予定はどうなってるの?」と聞くので、「まず宿題をして、次にこうしようと思ってる」と答えると、「偉いね、自分で計画立ててるんだ」と褒めるんです。聞かれたから私は言わざるを得なかっただけですが、褒められたことでエンジンがかかって、すぐに宿題に取り掛かる。すると、生活のリズムを作る力がついて、うまくいった時には自己肯定感が高まります。逆に失敗した時はどうかというと、自分で計画して自分でやったことなので、誰かのせいにしない自己責任感を持つことができます。
自分で計画や予定を組んで実践して、その結果に対して自分が責任を持つ。あるいは自分で自分を褒める。この繰り返しはとても大切です。
◇尾木 直樹(おぎ・なおき)1947年、滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、教師として22年間子ども主役の教育を実践。その後大学教員に転身し22年教壇に。現在は法政大学名誉教授、臨床教育研究所「虹」所長。

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