◆「ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2026」日本13―3ソフトバンク(22日・ひなたサンマリンスタジアム宮崎)

 第10回は、自身初のWBC出場となる阪神・坂本誠志郎捕手(32)。この日のソフトバンク戦でも、3回にチーム1号、自身の侍ジャパン初アーチとなる2ランを左翼ポール際に運んだ。

徹底したデータ分析に加え、類いまれな観察眼と洞察力を兼ね備える「侍の頭脳」は、世界一になった前回大会を回顧。“胴上げ捕手”から見える最高の景色を想像し、捕手3人で思いを一つに引っ張る決意を示した。(取材・構成=中野 雄太)

 球界屈指の頭脳派捕手が、バットでも好スタートを切った。ソフトバンク戦の3回無死一塁、2ボールから上茶谷の144キロの真っすぐを完璧に捉えた。左翼席に飛び込むチーム1号。守っても3投手を巧みにリードした。

 「思い切っていくだけだったので。いいスイングができてよかったです。(守備は)どう抑えるかもですけど、ピッチクロックやピッチコム。投手陣もすごく気にしながらやってくれた。みんなで共有して、しっかりやっていけたら」

 今も目に焼き付いている。23年WBCの決勝・米国戦。

9回に登板した大谷が当時の同僚だったトラウトを空振り三振に斬って取り、世界一が決まった。

 「いち野球人として、ドラマチックな展開で野球をして、すごく面白いし、格好いいと思って見ていた。捕手としては、あの場面でトラウトに対してどういう配球をするかを考えていた。(最後スイーパーで)あーやっぱりそうだな…と」

 その時、大谷のボールを受けていたのは若手時代からオフに合同自主トレを行うヤクルト・中村。今回は師匠と共闘し、WBC連覇の景色を見る。

 「自分が今、こういう立場で野球をやらせてもらっているのも中村さんのおかげ。その方と一緒に代表で野球ができる。すごく幸せ。一緒に勝つことだけを考えて、若月も含めて捕手みんなで力を合わせてやりたい。誰になるか分からないけど、最後はウィニングボールを捕って、みんなでワーってなったら最高」

 今回の大谷は打者専念の方針。だが、もしかしたら…とひそかに狙っている。

 「中村さんが『投げろって言おうかな』と言っていたので、僕も乗っかってみようかなって思っている(笑)。

ドジャースの選手として戦う上では、いろんな準備を侍にいながらもやると思う。捕ってみたい。どんな球なのか、すごく興味はある」

 昨季は自己最多117試合に出場し、2年ぶりのリーグ優勝に貢献。12球団屈指の投手陣を巧みなリードで導き、ベストナインとゴールデン・グラブ賞にも輝いた。出塁率3割5分7厘としぶとい打撃も持ち味。持てる力を全て出し切って勝利を積み重ねる。

 「今回に関しては勝ちゃいい。どんなことをしてでも、何としてでも、相手より1点でも上回ってという勝負の仕方になる。普通に投げられたら日本の投手はみんな抑えられる。打者の反応を見たり、データとかを使いながら一番ベター、ベストな選択をしながらやっていく」

 合宿中にはパドレス・ダルビッシュから国際大会での心構えや他国の情報などを吸収し、準備を整えている。左アキレスけんを手術し、WBC出場を辞退した石井の思いも背負い、全力を尽くす。

 ◆坂本 誠志郎(さかもと・せいしろう)1993年11月10日、兵庫・養父市生まれ。

32歳。履正社、明大を経て15年ドラフト2位で阪神に入団。25年は自己最多117試合出場で2年ぶりのリーグVに導き、ベストナインとゴールデン・グラブ賞に輝いた。176センチ、79キロ。右投右打。今季の推定年俸1億円。既婚。

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