「侍語る」第14回は、チーム内で野手最年少の阪神・森下翔太外野手(25)。井端弘和監督(50)の初陣だった23年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップから、主要国際大会で選出され続けている“申し子”が、無類の勝負強さでチームをけん引する。

(取材・構成=藤田 芽生)

 世界の強豪相手に持ち前の勝負強さを見せつける。森下はこの日の中日戦に阪神での定位置の右翼とは違う左翼で先発出場。3打数無安打と沈黙したが、22日のソフトバンク戦(宮崎)では、5回の左翼席への2ランを含む2安打4打点。憧れてきた大舞台を前に、“井端チルドレン”の血が騒いでいる。

 「自分がプロに入ったとほぼ同時に侍ジャパンの監督になられた。自分のことも大学時代から知っていただいていて、すごく縁があるかなと思います。監督に選んでもらえないとWBCに出ることもかなっていない。すごく感謝しています」

 井端ジャパンに初招集されたのは、23年11月のアジアプロ野球チャンピオンシップだった。24年11月のプレミア12では全9試合で4番を務め、打率3割5分7厘、1本塁打、9打点でベストナインを受賞。MLB組が加わった今大会も小園(広島)と並んで野手最年少で名を連ねた。主要大会で選び続けてくれる井端監督の教えは胸に刻んでいる。

 「(初招集時から)勝負強さだったり、明るくフレッシュにやってくれとおっしゃっていた。

メジャーで活躍している選手がいるなかで、多少の緊張、萎縮はしてしまう。その中でもはつらつとした前向きな表情だったり、行動だったりっていうのはやっていくべきかな。フレッシュにチームを盛り上げられたら」

 身近な先輩から刺激を受けてきた。中大の2学年先輩の牧(DeNA)とともに日の丸を背負うのは、大学時代を含めると、これで4大会目になる。

 「自分より先にジャパンを経験して、結果を残されている。WBCもそうですけど、大学時代から常に前に立って結果を残し続けてくれた人。その背中に追いつけ追い越せと思ってやってきた。あれだけ野球に真剣に向き合っている人は少ない。近くにいてくれて心強かった」

 今大会は阪神で守り慣れた右翼だけでなく、左翼、中堅での出場も期待される。5年連続外野手でゴールデン・グラブ賞に輝いた近本やOBの赤星憲広氏にもアドバイスを求め、研究を重ねてきた。人並み外れた勝利への執着心が最大の武器だ。

 「勝つことが全てなので。

どんな野球をするかよりも、どう勝つか。勝つことができればそれが正しかったとなる。井端監督の野球は、どんな野球をするかよりも、勝ちに徹するところ。どこのポジションでもやるつもりで、中堅を任されても自信を持って井端監督が送り出せるような状態に持っていきたい」

 最年少らしく、貪欲に駆け回る。井端野球を体現してきたお祭り男が、WBC連覇へ全力を注ぐ。

 ◆森下 翔太(もりした・しょうた)2000年8月14日、横浜市生まれ。25歳。東海大相模では3年センバツで4強入りするなど、高校通算57本塁打。中大では1年から大学日本代表に選出。22年ドラフト1位で阪神に入団。1年目から右翼のレギュラーに定着し、38年ぶりの日本一に貢献。25年は全143試合に出場し、打率2割7分5厘、23本塁打、89打点でベストナインとゴールデン・グラブ賞を初受賞。

182センチ、93キロ。右投右打。今季推定年俸は2億1000万円。独身。

編集部おすすめ