◆「ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2026」中日3-7日本(28日・バンテリンドーム)

 侍ジャパンのドジャース大谷翔平投手(31)が28日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)連覇への吉兆となる160メートル弾を含む圧巻のフリー打撃でまたも度肝を抜いた。「ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2026」の中日戦(バンテリンD)前の練習では、異例の2日連続の“公開フリー打撃”が実現し、25スイング中9発。

約100メートルの大遠投など大忙しの二刀流調整で、メジャー組が出場解禁となる2日のオリックスとの強化試合(京セラD)に向け、戦闘態勢を万全に整えた。

 大谷の異次元の打球が右翼5階席に飛び込むと、地鳴りのような歓声が響き渡った。吉田、鈴木と同組で回ったフリー打撃。16スイング目に、推定飛距離160メートルの驚弾が飛び出した。最後は3連発で締め、25スイング中サク越えは9発。4万人近い観客が熱狂した。ファンや、正座して見守る侍ナインもいる前で、視線を独り占めした。

 まるで3年前の再現VTRのような光景は、吉兆となりそうだ。23年WBCの直前。同じ中日との壮行試合前に、同じバンテリンDで5階席へ160メートル弾をぶっ放し、その勢いのままに世界一へと駆け上がった。シーズン中はフォームのチェックなどに集中するため、基本的には室内で打撃練習をするのがルーチン。前日は28スイング中11発で“最長不倒”は4階席への約140メートルだった。

2日連続の“公開フリー打撃”となると、前回WBCの準決勝、決勝の際に、米国で実施したのが最後で、異例中の超異例だ。サービス精神が、フルスイングに表れた。

 チームを背負う覚悟がにじむ。この日は、1000人近くのファンが待ち受ける中、チームバスで到着すると、キャップのつばを後ろ向きにかぶり、さっそうと“一番乗り”で球場入り。開場前、中日の練習中ながらグラウンドにもいち早く現れ、ファウルゾーンでキャッチボールを開始。徐々に距離を伸ばすと、左翼フェンス付近まで下がり、約100メートルの大遠投で調整した。これもまた異例。約10分間、感触を確かめると、足早にバックヤードへと下がり、ブルペンで17球の投球練習をこなし、近日中に予定するライブBPに備えた。フリー打撃の前には走塁練習も行い、一人、慌ただしさは際立った。

 今大会のWBCは「指名打者」登録で、打者に専念する。だが、ドジャースでは今季、投手として本格復帰するだけに、双方の調整継続は必須。ブルペン投球後には室内で打ち込む時間も取った。

二刀流男は率先して動いてチームをもり立て、結束を高めている。

 メジャー組が出場解禁となるのは2日のオリックスとの強化試合以降。ドジャース・山本由伸やホワイトソックス・村上宗隆、ブルージェイズ・岡本和真らが合流し、ついに全30人の侍がそろう。「(打者専念は)決まっていることではあるので、そこに全力を尽くしたい」と語っていた大谷。中日戦の5回途中には「お疲れさまでしたー!」と鈴木、菅野らと球場を後にした。8日の1次Rオーストラリア戦は天覧試合になることも決まった。頼もしいリーダーのもと、ヒリヒリする3月を戦い抜く準備が整った。(竹内 夏紀)

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