◆第21回オーシャンS・G3(2月28日、中山競馬場・芝1200メートル、良)

 第21回オーシャンS・G3は28日、中山競馬場で争われ、7番人気のペアポルックス(岩田康)がイン強襲で首差抜け出し、重賞初制覇を飾った。優先出走権を得た高松宮記念(29日、中京)で春の短距離王の座を目指す。

 これぞ“イン突き”の名手の真骨頂だ。ペアポルックスは直線の短い中山で、4コーナー12番手。絶望的とも言える位置から岩田康は冷静に狙っていた。内ラチ沿いをタイトに回り馬群の最内に馬体を潜り込ませると、あとは開いたビクトリーロードをするすると“ワープ”。懸命の鼓舞にパートナーもしっかり呼応して先頭に立つと、ゴール前でレイピアの猛追を首差退けたところが重賞初制覇の瞬間だった。

 「(内が)空いてましたね。腹をくくって、脚を信じて最高のパフォーマンスを見せてくれたと思います」と岩田康。昨年の高松宮記念以来のコンビでも特長を知り尽くしているからこその完璧な手綱さばきだった。

 ここまで重賞2着が3回。昨年は4角先頭からしぶとく粘って2着とあと一歩タイトルに及ばなかった。今年も同様の位置取りを想定していた梅田調教師は驚きを隠せなかった。「上手に乗ってくれたけど、よく空いたな。

馬もだけど、ジョッキーが一番うまい。もう一回やれと言われても無理やろな」。12日に52歳になるベテランの大胆な騎乗に感服していた。

 次戦は優先出走権を獲得した高松宮記念。昨年は序盤から力んだ走りで最下位に沈み、岩田康が「大失敗した」リベンジを期す舞台となる。トレーナーは「今日は休み明けだったし、もう一段上がってくれたらG1でも、少し勝負になると思う」。10年にこのレースから高松宮記念を連勝した父キンシャサノキセキとの父子制覇がかかるスプリントG1に胸を張って向かう。(石行 佑介)

 ペアポルックス 父キンシャサノキセキ、母ミラクルアスク(父ディープインパクト)。栗東・梅田智之厩舎所属の牡5歳。北海道平取町・株式会社ASK STUDの生産。通算18戦4勝。総獲得賞金は1億6913万1000円。

重賞初勝利。馬主は広崎利洋HD(株)。

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