根本康広調教師(70)=美浦=の最終日に師弟コンビで勝利をつかんだ。3月1日の中山5R・3歳未勝利(芝1600メートル=16頭立て)は、サザンテイオー(牡、父シルバーステート)が頭差V。

涙を浮かべて引き揚げてきた長浜鴻緒騎手が「馬がしっかり応えてくれてメチャクチャうれしいです」と喜ぶと厩舎の先輩・丸山元気騎手の目にも光るものがあった。

 執念が人馬に乗り移った。2月21日に東京で2着。そこから連闘で挑んだレースは、直線で一度は抜け出しを図った2着馬とのマッチレースに。最後はグイッとひと伸びで先頭でゴール板を駆け抜けた。鞍上は「担当の方がケアをしてくれて、良い状態で臨むことができました」と馬の頑張りとともに厩舎一丸で勝ち取った勝利にほっとした表情を浮かべた。

 騎手時代には1985年の天皇賞・秋をギャロップダイナ、メリーナイスでは86年の朝日杯3歳S(現朝日杯FS)と87年の日本ダービーを制覇。「鞍を持ってこい」、「またがっちゃえ」と検量室前で声がかかった根本調教師は、少し照れた様子でメリーナイスの勝負服に着替えて馬上へ。スタンドの歓声に包まれながら口取り写真に収まった。

 実はこの日、師匠からダービー優勝時のブーツを託されていたのが長浜騎手。「今日初めてブーツを受け継ぎました。東京で決めきれなかったので、絶対に決めたいと思っていた」。

競馬界の頂点を極めた縁起物と、強い気持ちが最後のひと踏ん張りにつながった。「最後の日に勝ってくれて良かった。最高です」と根本調教師は弟子とともに手にした218勝目に優しい笑顔を見せた。

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