◆第33回チューリップ賞・G2(3月1日、阪神競馬場・芝1600メートル、良)

 桜花賞トライアルの第33回チューリップ賞・G2(3着まで優先出走権)は1日、阪神競馬場で行われ、2番人気のタイセイボーグ(西村淳)が惜敗続きに終止符。重賞4度目の挑戦で待望のタイトルを手にし、桜花賞・G1(4月12日、阪神)で女王を目指す。

 もう惜敗はうんざりだ。3度の悔しさを乗せてタイセイボーグが伸び続けた。800メートル通過が48秒6の緩い流れだったが、西村淳が合図を送ったのは残り300メートル。鞍上が手綱をしごくと馬体が弾んだ。気迫のこもったアクションとともに馬群の外を貫き、5着まで首+首+鼻+鼻差の接戦にピリオド。現3歳世代が初年度産駒の父に重賞初制覇のプレゼントを贈った。

 検量室前で「やったー!」と馬上から松下調教師ら関係者と固い握手を交わした西村淳。「この子の切れ味を信じて、直線まで待っていました。気持ち良かったですね」と笑顔がはじけた。松下師とのコンビでは重賞10度目の挑戦で初V。「こうして結果が出せてうれしい」と率直な喜びを口にした。

 苦汁をなめ続けた末の勝利だ。

デビュー3戦目の新潟2歳Sで2着。続くアルテミスSで3着、阪神JFでも3着。大舞台ではあと一歩で白星を逃す歯がゆい競馬が続いていた。そして迎えた3歳初戦。前走時からプラス10キロとひと回り成長した体で念願の初タイトルをつかみ取った。「背が高くてヒョロっとしていたけど、だんだんボリュームが出てきた感じ。本当に実になってきました」とトレーナーは目を細めた。

 次なる目標はもちろん、桜花賞。20年レシステンシア(2着)で涙をのんだ指揮官は「胸を張って桜花賞に向かえます。今の状態でどこまでやれるか」と力を込める。殻を破ったインディチャンプ産駒が、今度こそ女王の座を射止める。(山本 理貴)

 ◆タイセイボーグ 父インディチャンプ、母ヴィヤダーナ(父アザムール)。

栗東・松下武士厩舎所属の牝3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算6戦2勝。総獲得賞金は1億264万5000円。重賞初勝利。馬主は田中成奉氏。

編集部おすすめ