ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が、5日に開幕する。ネットフリックスが独占配信するため地上波テレビでの生中継がない今大会で、ニッポン放送は6日からの日本代表戦を全試合中継する。
前回大会の23年は、準々決勝のイタリア戦が年間世帯視聴率1位の48%(関東地区)を記録するなど、列島がテレビ中継に熱視線を送った。今大会ではネトフリが映像中継を独占する“一強状態”に業界が揺れる中、注目を浴びているのがラジオだ。第1回大会から生中継を行うニッポン放送は、煙山アナらベテランが全ての日本戦を実況する。
煙山アナは、同局で60周年を迎えるプロ野球中継番組「ショウアップナイター」などで約30年の野球実況キャリアを持つ。WBCは17年大会でも実況を経験しているが、「今大会はより特別で、初めてラジオ中継を聴く方もいると思う。『ラジオで聴く野球っていいじゃない!』と思ってもらいたい」と力を込める。
“見る野球”だけでなく、“聴く野球”にも注目が集まる今大会。実況では「〈1〉得点とイニングを頻繁に伝えること〈2〉投球に後れを取らないこと」が鉄則という。
「得点とイニングは3分に1回は言うようにしています。映像と違いテロップなどがないため、1~2分に1回は言わないと、聴く方たちが『今、何対何なんだよ』と小さなイライラが募ってしまう。それと、ピッチャーの投球に合わせて『投げました』の実況が遅れると、打球音もしくはミットに収まる音とぶつかる。
職人技とも言える実況を下支えするのは、細かな取材やデータに基づく自作の準備資料。国際大会とあり、他国の選手の情報もびっしりとノートに書き留めている。注目はやはり、侍ジャパンのドジャース・大谷翔平投手(31)だ。「大谷選手は2度インタビューしたことがありますが、実況の経験はほとんどない。一挙手一投足を伝えたいですし、常識を覆してきた選手ですから、実況においても準備や筋書きが崩されていくドキドキわくわく感がある」と腕が鳴る。
1次ラウンド最終戦のチェコ戦では、解説の小笠原道大氏(52)とタッグを組む。「小笠原さんは、06、09年大会の優勝経験者。連覇がかかるプレッシャーや心理的なこともお聞きしたい」。
自身が実況する決勝で米国を下し、連覇を達成する侍ナインの姿を夢見る。「歴代最強メンバーと評されるアメリカを倒したら、正真正銘の世界一だと思います。ぜひ決勝まで駒を進め、大会史上最高峰の戦いで連覇の瞬間を実況できたら最高です」と期待に胸を膨らませている。
◆煙山 光紀(けむやま・みつのり)1962年7月2日、大阪府出身。

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