演技指導を名目に俳優の女性2人に性行為をしたとして、準強姦(ごうかん)罪に問われた映画監督で会社役員の榊英雄被告(55)に、東京地裁は6日、懲役8年の実刑判決を言い渡した。榊被告が監督を務め、騒動を受けて公開中止になった映画「蜜月」のカメラマン・早坂伸氏がこの日、Xを更新し「実刑8年。

その数字を見て、釈然としない気持ちが残った」とつづった。

 裁判では榊被告が女性2人に対し、2015~16年の1年半の間で5件の性行為を強要したことが争点となった。判決を受けて、榊被告と20年以上仕事をしてきた早坂氏は「私たちは被害の声を集めた。確認できただけで、40件近くの証言があった。しかし、立件されたのは、そのうちの2件(=2人)だけだった。司法の手続きには、それぞれ理由がある。それは分かっている。それでも、声を上げた全ての人の痛みが、この裁判には反映されたとは言い難い」と複雑な思いを打ち明けた。

 続けて、映像業界全体の問題として「映像の現場は密室になりやすい。監督という立場が絶対的な権力として機能する構造を、この業界に関わる者なら誰もが知っている」と指摘。同じ過ちを繰り返さないよう「現場に外部の目を入れること。声を上げやすい環境を制度として整えること。

そして『見て見ぬふり』を選ばない文化を、一つひとつの現場から作っていくこと。それは個人の善意に委ねるのではなく、業界の仕組みとして実現されなければならない」と述べ、「この事件を、日本の映像業界が本当に変わるための契機にしてほしい」と願った。

 2022年3月10日発売の週刊文春が、榊被告の作品やワークショップに参加した複数の女性が榊被告から性行為を強要されたと主張していると報じた。報道を受けて、同25日に封切り予定だった映画「蜜月」は公開中止になった。同作のカメラマンを務めた早坂氏は当時、ブログで「犯罪的な行為を止めることができなかったことを深く陳謝いたします」とつづっていた。

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