◆プロボクシング ▽世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)4団体統一タイトルマッチ12回戦 統一王者・井上尚弥―WBA&WBC&WBO同級1位・中谷潤人▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上拓真―同級4位・井岡一翔(5月2日、東京ドーム)

 日本ボクシング史上最高のスーパーファイトが、ついに実現する。世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥とWBA&WBC&WBO同級1位・中谷潤人が、5月2日に東京ドームで対戦することが6日、正式発表された。

尚弥は「格の違いを見せる」と自信をみなぎらせ、中谷も「最強の名称をいただきたい」と勝利への意気込みを語った。また、尚弥の弟でWBC世界バンタム級王者の井上拓真は、WBC同級4位・井岡一翔の挑戦を受ける。井岡が勝てば、日本男子初の5階級制覇となる。会見にはテレビカメラ約20台、報道陣約200人が詰めかけた。

 「THE DAY やがて、伝説と呼ばれる日。」と銘打たれた歴史的一戦。尚弥は「ワクワクしている。デビュー以来、(試合)2か月前に自分がこういう状態になるのは初めてのこと」と高揚感を口にした。日本人との対決はスーパーフライ級王者時代の16年12月の河野公平(ワタナベ)戦以来。「やっぱり違いますね」と頬が緩んだ。

 「運命」が両雄を引き寄せた。昨年3月の年間表彰式の壇上で、尚弥が「中谷君、1年後の東京ドームで日本ボクシングを盛り上げよう」とサプライズ宣戦布告。中谷も「やりましょう」と呼応した。

その後は互いに一度も負けることなく、約束の舞台に歩みを進めてきた。尚弥は「お互いが全盛期と言える時代に、お互いが積み上げてきた戦績というものも見れば、運命的と言っていいんじゃないですかね」とうなずいた。

 中谷の存在を「最初の頃は全く気にしていなかった」という。しかし、中谷がバンタム級に転向しKOの山を築くにつれ、ファンの間で尚弥との勝負論が浮上。「『ちょっと待てよ』と。自分が積み上げてきたキャリアを見た時に『なめられてんじゃないか』と。そういう気持ちにもなる」。胸の奥に芽生えた感情が、日本人頂上決戦へと背中を押した。

 「5月2日という日は、ボクシング界の歴史的な日になると思う」と話した上で、こうも続けた。「ただ僕のボクシング人生においては、ひとつの通過点でしかない」。2階級での4団体統一、史上最多の世界戦27連勝&世界戦23KO勝利など、ボクシング史に数々の偉業を刻んできた自負がある。「しっかり格の違いを見せて勝ちたい」。

モンスターがビッグバンを撃破し、「伝説の日」の主役となる。(勝田 成紀)

 ◆中谷も強気なコメント

 いつもの優しい笑顔はない。中谷のスリーピース・スーツの全身からは鬼迫がほとばしった。「井上尚弥という男にしっかり勝って、必ずチャンピオンになります。最高の中谷潤人として、ベストを見せたい」。モンスターの横で「井上尚弥選手は最強と言われているので、最強の名称をいただきたいと思う」。いつにない強気なコメントに会場がざわついた。

 昨年2月の年間表彰式で、井上尚から対戦を呼びかけられた。当時WBC世界バンタム級王者で、その後にIBF王座を統合。井上尚戦を念頭にスーパーバンタム級に上げた。12月の転級初戦は粘り強いメキシコ選手に判定勝ちだったが「この試合で得るものが多かった」と言う。井上尚陣営の大橋秀行会長は「苦戦したことでいろんな課題を工夫してくる。

もっと強敵になった」と警戒心を見せた。

 2月25日から今月1日まで沖縄・名護の強化合宿で「スイッチを入れてきた」。相手の弱点について聞かれると「しっかり活路を見いだすパンチはチームと共有している」と答えた。井上尚が「判定では俺には勝てない」と話していたことを伝えられると「5月2日に分かります」とニヤリ。今月中にも渡米してさらに腕を磨き、この日示した自信を確信にして帰国する。(谷口 隆俊)

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