◆WBC 1次ラウンドC組 日本8―6韓国(7日・東京ドーム)

 第6回WBC1次ラウンド(R)が7日、行われ、C組の日本は韓国との接戦を制し大会2連勝。ドジャース大谷翔平投手(31)は1点を追う3回1死、右中間へ2試合連発となる同点ソロを放った。

この回、3番のカブス鈴木誠也外野手(31)が1打席目から連発となるソロ、続くRソックス・吉田正尚外野手(32)もソロを放ち1イニング3発が飛び出した。4回に追いつかれたが同点の7回、鈴木の押し出し四球で勝ち越し、吉田の2点適時打で突き放した。韓国戦11連勝(1分け挟む)とした日本は8日、オーストラリア戦に勝てば1位突破での準々決勝進出が決まる。

 頭は冷静でも心は燃えていた。試合を振り出しに戻す大谷のアーチは、総立ちの右翼席に飛び込んだ。1点を追う3回1死走者なしの2打席目。先発右腕・高永表の119キロ変化球を振り抜き、2試合連続弾となった。「甘い球をしっかりいいスイングができたと思います」。興奮気味の一塁ベンチを、両手を使って制し「先制されてやばいやばいという、急ぎがちなリズムがあったと思う。少し落ち着いていこうかということ」と、リーダーらしい一面も見せた。

 2死から同学年の誠也が2打席連続弾。吉田も2者連続弾で1イニング3発を放ってみせた。

その後一度は追いつかれたが、7回に勝ち越して準々決勝進出に王手をかけた。23年WBCと同じ3点差を逆転しての韓国戦勝利に「本当に素晴らしいゲーム。短期決戦中は、タフなゲームが何試合か必ずある。そういうゲームをものにして、チームでより結束力、チーム力が上がる気はする。本当に大きい」とうなずいた。

 燃える理由があった。先発は花巻東(岩手)の3学年先輩の雄星。公式戦でともに戦うのは初めてだ。雄星は初回に3点を献上。まさかの立ち上がりとなったが、3回の大谷の同点弾で黒星が消えた。すると雄星はベンチで大谷に歩み寄ってハグ。「ありがとう」と伝えられた。

雄星の背中を追って同校に進学した大谷は「緊張はしていたんじゃないかなと思う。それは仕方がないこと。少しでも助けになればうれしい」。苦しんだ先輩をバットで救った。

 試合前は6日の台湾戦に続いてフリー打撃。右翼へ推定飛距離150メートルの特大弾を放つなど、26スイングで5本がサク越えで、大きな歓声を浴びた。2試合連続で試合前にフリー打撃を行うのは23年WBCの準決勝、決勝以来3年ぶり。例年ならキャンプ中の時期とあって「体もスイング自体も定まっていない時期。大会期間中だけど、しっかり振るという意味では外で打つのもいい調整になる」。あくまで調整段階でありながら、アップをしていた韓国ナインの視線もくぎ付けにした。

 フリー打撃後には、ナインに「ボール拾って!」と呼びかけて、裏方スタッフを気遣った。この日は2四球など全4打席で出塁し、2戦8打席で7度出塁。

6打数5安打の打率8割3分3厘と止まらない。この日は全7安打、8打点はすべてメジャーリーガー。井端監督は「さすがのバッティングで感謝しています」と大谷をねぎらった。「天覧試合」となる8日のオーストラリア戦で勝てば、C組1位で準々決勝進出が決まる。勢いに乗った大谷が、連覇を狙うチームの先頭に立つ。(安藤 宏太)

 ◆8日の日本の1次R突破条件 開幕2連勝の日本は、ナイターで行われる8日のオーストラリア戦に勝てば準々決勝進出が決定する。8日のデーゲームで行われる韓国―台湾戦で台湾が勝った場合は、その時点で日本の2位以内での準々決勝進出が決定。韓国が勝っても日本がオーストラリアに勝てば1位での準々決勝進出が決まる。日本が勝ち上がった場合に準々決勝で対戦するD組は、現時点でベネズエラ、ドミニカ共和国が1勝。強豪との対戦が予想されている。

記録メモ 大谷(ドジャース)は3回、6日の台湾戦に続き、今大会2号となる同点ソロ。WBCでは23年のオーストラリア戦で1本塁打しており、通算3本塁打となった。

吉田(レッドソックス)も3回の1発で通算3本塁打で、ともに日本のWBC最多本塁打に並んだ。3本塁打はほかに多村仁(横浜)、筒香嘉智(D)、中田翔(日)がいる。

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