◆WBC 1次ラウンド B組 メキシコ16―0ブラジル=6回コールド(8日・米ヒューストン=ダイキンパーク)
メキシコがブラジルに16―0でコールド勝ちし2連勝。B組では米国、イタリアに並んで首位タイとなった。
先発全員安打を達成するなど4本塁打を含む16安打16得点で、ブラジルを圧倒。危なげなく2勝目を挙げ、9日(日本時間10日)に当地で行われる米国戦に弾みをつけた。初回に5安打4得点で流れをつかむと、2回はデュラン(レッドソックス)の右翼1号ソロ。4回には、カーク(ブルージェイズ)の左中間3ランなど打者一巡の猛攻で一挙6点。6回にはトーマス(ブルージェイズ)の2ランに続き、控えのオルネラスの2ランが飛び出し、幕切れとなった。9日は2勝同士の米国とメキシコが激突。米国は、昨年ナ・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したスキーンズ(パイレーツ)が先発する。
メキシコ打線が破壊力をみせつけた。初回は1死からアロザレーナ(マリナーズ)の左翼線二塁打を口火に3連打などで4得点。2回に右翼席へ1号ソロを放ったデュランは4回無死一、二塁で左翼線へ2点タイムリーとなる二塁打を放ち、4回に左中間1号3ランを放ったカークは4打点。メジャーのレギュラー陣が格の違いをみせつけたが、ヒル監督を喜ばせたのは、派手な打撃だけではなく、全員が意識した細かな部分だ。
「皆が正しい野球をした。
積極的にあるべき姿だった。例えば、アレック(トーマス)の走塁。俺たちは野球をしにきたんだという姿勢を示した。重要なのは、小さなプレー。例えば、併殺を防ぐために、全力疾走したこと。それが、全員が100%で戦っているという証だ」
最後は6回に2ラン本塁打でコールド勝ちを決めると、ほぼメキシコファンで埋まった観客は国歌や国民の愛唱歌を大合唱した。指揮官は「熱狂的だった。試合後にああいう曲が流れるのは最高だ。問題はテキーラを飲みたくなること。あの曲を聞いて水を飲むわけにはいかないからね。とにかくメキシコにとって素晴らしい夜だった」とご機嫌だった。
この日は試合がなかった米国に対し、メキシコは11―0と大量リードの後は主力を交代させ、先発ウォーカーが3回1/3を無失点の後は、2人の継投で済ませる省エネ野球で2勝目をあげ、米国代表と2勝同士の一騎打ちとなる第3戦にコマを進めた。
米国代表先発はスキーンズ。試合後の会見では、米国戦に話題が及び、デローサ米国監督の「我々は世界最高の30人がいる」というコメントについて問われたヒル監督は、「僕を論争に巻き込もうとしているね」と笑いながら、「世界最高の30人かどうかは、ドミニカ共和国や日本も言えること。彼らが最高かどうかはわからない。ただ、我々はその日の一番良いチームになりたいだけだ。彼らはスターだらけのスーパーチーム。オールスター、MVP候補、サイ・ヤング候補、ゴールドグラブ、シルバースラッガー。でも野球は宝石の数で決まるわけじゃない。試合に勝つかどうかだ」ときっぱり。
「今、米国とメキシコはライバル関係と言われる。本来なら、日本やドミニカ共和国、プエルトリコがライバルかもしれない。でも、我々が結果を残してきたから。これは、単なる野球の試合じゃなく、大きなスポーツイベント。
メキシコは『醜いアヒルの子』みたいな存在だったかもしれない。でも結果を出してきた。素晴らしいチームと戦うのが楽しみ。彼らは本当に強い。でも、ほんの少しでも勝てれば。たとえ0・5点差でもね」と、意気込んだ。