◆WBC 1次ラウンドC組 日本9―0チェコ(10日・東京ドーム)
希望が膨らむ快音が響いた。ブルージェイズ・岡本和真内野手(29)の一振りに東京Dが熱狂した。
両チーム無得点の4回1死一塁。カウント3―1から先発右腕のサトリアが投じた内角高め直球に反応した。高々と舞い上がった打球は左翼フェンスに直撃する二塁打。あと約50センチでスタンドインという一撃で3試合ぶりにHランプをともした。
試合前時点では3試合で10打数1安打1打点。「自分のスイングで打てていないなというのがあった」。タイミングの取り方などを模索。今大会初長打で復調の号砲を鳴らした。三塁の守備では好プレーを連発。攻守で躍動して、1次ラウンドを締めくくった。
先輩右腕に“アンサー”した。8日のオーストラリア戦。
試合前の円陣だった。「菅野先輩が緊張しているので早めに援護しましょう」と巨人時代の先輩である菅野をイジりながら声出しをした。同戦では菅野が4回無失点に抑えた一方で、岡本は2打数無安打。試合後の会見で菅野は「(岡本は)緊張感がなくて打てていない。求められているのは守備じゃない」とユーモアを交えて愛のムチをふるっていた。巨人時代にはエースと4番でチームをけん引。そんな先輩からの要求は期待と信頼の裏返しだった。
チェコ戦の試合前には再び右腕から声をかけられた。「いつもいろいろ言われるので、あまり耳を傾けていない。忘れた」とユーモアを交えて笑った岡本。“愛のイジり”に、バットで応えた。世界一になった23年大会では準々決勝進出以降の3試合で2発。
大谷、鈴木、吉田が好調なだけに、背番号25が本領を発揮すれば打線の破壊力は格段に増す。「負けられない試合が続くので頑張りたい」と見据えた岡本。連覇へ上昇気流に乗り出した。(宮内 孝太)