◆WBC 準々決勝 日本5―8ベネズエラ(14日・米フロリダ州マイアミ=ローンデポパーク)

 スポーツ報知評論家の高橋由伸氏が、ローンデポパークでのWBC準々決勝、日本―ベネズエラ戦を生観戦。相手の破壊力を冷静に分析し、敗因を探った。

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 日本が誇る最高峰のピッチャーが集まっても、ベネズエラに8点を許した。各打者の反応を見る限り、一人一人の投手をじっくり研究されたように感じた。ボール球は一切振らず、ベース板の上だけを強く振る。1次ラウンドでは空振りを奪ってきた変化球が通用せず、甘いボールを痛打された結果となった。

 5回の隅田はガルシアへの8球目、高め直球を左翼席に運ばれた。6回のアブレイユには伊藤の低めスプリットを見極められ、同じく高めを持っていかれた。メジャーの中でも高いレベルで戦えている選手はやはり、スピードやキレに慣れているから、打つ確率を上げることだけに集中する。粗く感じる豪快なスイングでも、全員がセンター中心に意識があり、確実にコンタクトしてくる。その上で桁違いのパワーがあり、ひと振りで仕留める技術はさすがだと感じた。

 前回王者として徹底マークされる厳しい大会だった。日本は機動力を生かすスモールベースボールの印象が強い中、今大会ではホームランでの得点が目立った。大谷や鈴木、吉田や森下が示したようにパワーでも対抗できた点は日本の進化だろう。

3回の4点は大谷が当然のように歩かされても、2番に入った佐藤輝が一時同点打を放ち、途中出場の森下が3ラン。国内選手の質の高さも見せつけ、ベネズエラには大きなダメージだったはずだ。

 NPBが今後どうするかは分からないが、ピッチクロックやけん制に制限があること、ボールの違いなども含め、メジャーで取り入れているルールに慣れる必要はあると感じた。負けたのは残念だが、日の丸の重圧を背負い、いろんな思いがある中で戦った選手たちは立派だった。これから日本のプロ野球が始まる。各選手が高いレベルを目に焼き付け、野球界を引っ張っていってもらいたい。(高橋 由伸)

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