◆米大リーグオープン戦 ドジャース5―1ジャイアンツ(18日、米アリゾナ州グレンデール=キャメルバックランチ)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が18日(日本時間19日)、本拠地・ジャイアンツ戦でオープン戦に今季初登板し、5回途中1安打無失点、4奪三振で最速99・9マイル(約160・8キロ)をマークする快投を見せた。試合後には準々決勝で敗退した第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を経て、世界と日本の“距離感”についても言及。

28年ロサンゼルス五輪の出場にも意欲を示しており、日本球界のさらなる発展を願った。

 世界との距離感は認めざるを得ない。ジャイアンツとのオープン戦登板後、大谷はWBCを通じて感じ取った日本野球の現在地を、包み隠さず指摘した。今大会は、過去最低の準々決勝で敗退。世界トップの選手になった大谷だからこその視点でもある。日本球界の発展を願うからこそ、正直な思いを口にした。

 〈1〉ピッチクロック(投球時間制限) 今大会、侍のバッテリーが苦しめられた。メジャーだけでなく、韓国や台湾の国内リーグでも導入済み。だが、投手と打者の駆け引きを大切にする風潮もあり、NPBでは導入されていない。「世界で勝ちたいなら、導入するべきだともちろん思う。『我々は我々の野球をするんだ』と思っているのであれば、別に変える必要はないのかなと思っています」と私見を披露。能見投手コーチも大会中には「自分のリズムで投げられないのはけっこうキツイ」と投手陣の思いを代弁していた。

ピッチコム(サイン伝達機器)を含め、NPBだけ取り入れなければ、それだけ国際大会では不利になっていく。

 〈2〉データ活用 侍ジャパンではドジャースで大谷の通訳も務めるアイアトン氏が加わってデータ面でサポート。チェコ、オーストラリアなどデータ収集の難しいチームもあったが、大谷は「本当に頑張ってもらった。感謝しています」。だが、メジャーでは当たり前になっているデータを提示されても「現場として常日頃から、(NPBの)各球団使ってはなさそうだなという雰囲気は出ていた。そこら辺のギャップはあった」とも言及。活用法を含め、精査すべき点とした。

 〈3〉誹謗(ひぼう)中傷 準々決勝で敗退したことにより、心ないメッセージがナインに向けられたことが問題となっている。大谷もNPB時代から「二刀流は不可能」などと、これまで多くの批判を浴びてきたが、結果ではね返してきた。「個人的には別に言われても気にはしない。プロである以上、結果が悪かった時に、自分のことだけに対しては、僕は何を言われても受け止める姿勢ではいる」。一方で「全員がそういった選手かといったらそうではない」、「人格の否定だったりそういうことに関しては全く野球とは関係ない部分ではあるので、よくない」とも続けた。

配慮を持って接することはどこにいても変わらないことが重要と説いた。

 ベネズエラ―米国の決勝は7回頃からテレビ観戦。「全体的に素晴らしいゲームだったとは思いますね。投手戦でどちらもピッチャーが素晴らしかった」と好ゲームを繰り広げた両チームをたたえた。準々決勝敗退後には「代表戦はリベンジというか、挑戦したい」と、28年ロサンゼルス五輪も見据えていた大谷。世界一奪取へのヒントが、言葉のひとつひとつに隠されていた。(安藤 宏太)

 〇…大谷がWBC開催時期についても言及。これまでの6大会はいずれもシーズン前の3月に行われ、選手が調整途上であることなどから球団が制限をかけるケースもあるなど、議論の余地があるという声もあるが「野手で言うなら、雰囲気も含めてこの早い時期にそういうトーナメントができるのは逆にプラス。確かにちょっと駆け足な部分、早く作る部分ありましたけど、決してマイナスな部分だけではないのかなと思います」とメリットも挙げた。

編集部おすすめ