馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はスワーヴリチャードが勝った2018年の大阪杯を取り上げる。
ミルコが魅了した。最後の直線。末脚を武器にするスワーヴリチャードは、ライバルを1頭も抜くことなく、先頭を守ってゴールを駆け抜けた。3コーナーで先頭へ並びかける大胆騎乗。自身の今年G1初勝利となったMデムーロは「作戦通りだった」と親指を立て、パートナーの悲願達成を喜んだ。
出負け気味のスタートは想定内。序盤は16頭立ての後方2番手で、ペースを感じることに専念した。前半1000メートル通過は61秒1。「芝がとても長くて、最初から(前に)行くと脚がもたない。スタートが遅くてポジションが後ろになっても、ペースが遅かったら早めに出していこうと思っていた」。3コーナー手前で外から一気に進出。
ラチ沿いに進路をとったこともあり、直線で右にもたれる悪癖は出さなかった。「スムーズに手前を替えてくれて『これで負けない』と。右も左も、周りは関係ないから」。同世代G1馬、ペルシアンナイトとアルアインの猛追も涼しい顔で振り切った。
「有馬記念みたいになるのが嫌だった」とミルコ。17年末のグランプリは出遅れて終始、遅い流れの外を走らされた。勝負どころで脚を使ったぶん苦しくなり、直線で内にもたれて他馬の進路を妨害。4着に敗れ、自身も騎乗停止処分を科された。反省を大舞台での好結果につなげ「すごくいい勝ち方だった」と胸を張った。
涙を浮かべる人もいた。開業12年目でJRA・G1初制覇を果たし、関係者と何度も抱擁を繰り返した庄野調教師だ。
スワーヴリチャードは2019年のジャパンCも制し、同年の有馬記念(12着)を最後に引退した。北海道安平町の社台SSで種牡馬入りすると、初年度産駒からレガレイラやアーバンシックなど次々とG1馬を送り出した。2023年度は200万円だった種付け料が、2024年度は1500万円に跳ね上がるなど注目を浴び、今や日本を代表する種牡馬の1頭になっている。



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