◆センバツ最終日 ▽決勝 智弁学園3-7大阪桐蔭(31日・甲子園

 DH元年の今大会。出場32校のうち28校がDH制を採用し、1試合あたりの平均得点は7・5点だった。

打力に特化した選手を起用できることで得点力アップが期待されたが、過去5大会の平均得点(21年7・8点、22年8・8点、23年7・0点、24年6・5点、25年9・2点)と比べても突出した数字ではなかった。

 理由として考えられるのは、投手が投球に専念できたこと。初戦で横浜を完封した神村学園・龍頭汰樹(3年)は「打席に立たない分、体力が削られない」と話し、中京大中京の安藤歩叶(3年)も「キャッチボールできずにマウンドに上がることがない。準備しやすい」と利点を挙げた。

 八戸学院光星の北口晃大(3年)は初戦で「4番・投手兼DH」で出場し、2回戦と準々決勝は「4番・DH」で先発後、DHを解除して救援登板。「ブルペンからマウンドに上がれることが大きい」と守備に就かないメリットを挙げた。

 DHで出場した選手の打率は計191打数35安打の打率1割8分3厘。しかし、DH制第1号を放った専大松戸の吉田颯人(2年)は背番号20で今大会が公式戦初出場。「新たな活躍機会創出」という導入の目的は現れたと言えそうだ。

 新ルールに対応しようとする各校指揮官の悩みも見えた。楽天などでプレーした九州国際大付(福岡)の楠城祐介監督(42)は、「1打席目で打てないとベンチにいなきゃいけないのでプレッシャーがかかる。DHで結果を出していくのは難しい」と説明。

そのためDHに入った選手は、守備に就く外野手とのキャッチボール役を担い、試合への集中力を高めた。英明(香川)のDH出場選手も同様の対策を取っていた。

 数字だけで見れば投手のメリットが目立った今大会。しかし、夏に向けた練習試合等でDH制への対応が進めば、また違った結果が生まれてきそうだ。(アマ野球キャップ・小島 和之)

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